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「次はどこにいこうか?アオイくんが乗りたいものとかないの?」
「うーん…」
コーヒーカップとかも苦手だろうし、アトラクションが一回転するようなものも嫌いなんじゃないかな。
「あれ?とか」
アオイが指を指したのはゴーカートだった。
ゴーカートなんて、小学生用の乗り物だと思ってたけど、まだ免許も持たない高校生が、好きな人の車の助手席に乗れるところなんて、そうそうない体験かもしれなかった。
「いいね!そんなに絶叫じゃないし、行こう!」
やっぱり列には小学生がたくさん並んでいた。
高校生はあまり並んでいなかったけど、車には全然乗る事が出来そうだった。
さっきみたいに車内の2人の距離が近くてお尻がぎゅうぎゅうな気がしなくもないけど。
「それじゃ、行くよ」
「うんうん」
発進する前に声をかけてくれるのとか、アオイらしいと思ってしまった。
スムーズに発進した車体は、隣を走っている小学生とは比べものにならないくらいぶつからなくて、アオイの運転の上手さが伺える。
「すごいね!」
「なにが?」
「小さい頃に乗った時は、ガンガンぶつかる乗り物のイメージだったから」
「ああ、小さい頃もほぼ運転役で、ミツルがただ乗ってる事が多かったから」
「そうなんだ」
本当に昔から仲がいいんだな。
ゴーカートの一周がわりとすぐに終わってしまって残念に思う。もっとアオイの運転している姿を見たかったな。
乗り物を降りると、そろそろ夕方になろうとしていた、閉園前にもう1つくらい乗り物に乗りたいけどどうしよう。
「わ、すごい列!」
クリスマスなこともあって、観覧車はすごい行列になっていた。
「並ぶ?」
「けっこう時間かかりそうだね」
「何分待ちなんだろうね?」
こないだ観覧車には乗ったから、絶叫じゃなければ高い所は大丈夫なのかな。
寒い中、40分くらい待って自分達の番がやってきた。
赤い色の観覧車に乗り込む。左右じゃなくて、Cの形のソファーになっていて、どこに座ったらいいのか悩んでいると、繋いだ手をひっぱられて、そのままアオイの隣に座ることにした。
沈む夕日を眺めながら、お互いが口を開かないから何を喋ったらいいのか考えていると、アオイが先に口を開いた。
「俺の何が好きなの?」
「え?うーん」
突然の質問すぎて、すぐに答えが見つからなかった。
「今日もさ、めるが乗りたい物にも乗れないし、勝手に嫉妬したりして…ほんとダサいっていうか。どこがそんなにいいのかなって」
付き合うって言われてから、とくに恋人っぽいことをしてこなかったから、ちゃんと付き合ってるのかな?って不安に思っているのは、私だけじゃないってことなのかな?
「私は、アオイくんの優しいところが好きで……でも、それはアオイくんの中では当たり前な事なのかもしれないんだけど、私は入学してからずっとドキドキしてたんだ。学級委員になったら、もっとクラスに溶け込めるかもって思ってたけど、全然そんなことなくて…ずっとアオイくんに支えられてきたって思うの」
好きになったきっかけは、学級委員を手伝ってくれて、優しかったからっていうのが始まりだとは思うけど、いまではそれだけではないと思う。
「それに、ダサいってアオイくんは言ったけど、私が告白したから好きでもないのに付き合ってもらってるって思ってるから、嫉妬してもらえてること事態…正直、私は嬉しくて。アオイくんが私の事を好きになってくれているのかもって実感できて」
「俺もめるの事、好きだって」
私の事を好きじゃないのかも。という言葉を否定するように、慌てた様子のアオイが私の方を見る。
「でも、それは人としてなんでしょ?私、アオイくんから好きなんて言って貰ったことないもん」
私は少しだけ意地悪そうな言い方をした。




