ー33ー
私達はチュロスを食べ終わると、次のアトラクションへ行くことにした。
「ねぇねぇ、次はジェットコースターに乗ろう??」
「え……」
私が繋いだ手をグイグイ引っ張ってジェットコースターの前まで来ると、アオイはジェットコースターの高さを見上げて固まってしまった。
そこに、ミツル軍団もやってきた。ミツルは男子一人に対して女子を10人くらい引き連れていた。
ジェットコースターに乗ろうとした私達を見つけるとミツルが小走りに走ってきた。
「めるるん♪一緒にジェットコースター乗ろう?」
ミツルが私とアオイが繋いでいた手をはなさせると、私の両肩をミツルが後ろから押してきた。
「え?え?」
「だって、アオイはジェットコースターに乗れないよ?だから、俺と一緒に乗ろうよ」
アオイは、ジェットコースターに乗れないんだ。だから、あんなにさっき固まってたのかな。
すると、少し不機嫌なアオイが私の肩からミツルの手を払い除けた。
「いい、俺が乗るから邪魔すんな」
アオイが私の手を掴むと、列の最後尾に並んだ。
「だ、大丈夫??」
「たぶん…」
その表情は、どこか自信がなさそうだ。
「無理しなくても」
「めるがミツルと乗るよりは…平気だと思う」
嫉妬?してくれるのは嬉しいけど、そんなに無理しなくてもいいのに、とか思っていたけれど、順番がやってきて私もジェットコースターの乗り方にビックリすることになる。
「えっとー」
それは、真横に乗るタイプじゃなかった。
「彼氏さんが先に乗ってもらって、その前に彼女さんが乗ったらスタートしまーす」
店員さんに言われた通りに、アオイがジェットコースターに座ると、その膝の間に私が座るように指示される。
つまり、私の背もたれはアオイだ。
そして、私の前の安全装置をおろすと、出発するみたいだ。
ものすごい密着感だ。あまり、アオイに私の体重がかからないように前の方にいたほうがいいのかな?とか思っていたのに、ジェットコースターが上に上がる重力で、私の全体重がアオイの体に乗っているような状態になってしまった。
「あ、あ、アオイくん?!大丈夫?重くない??」
私は、チラチラとアオイを振り返る。
「大丈夫だ(から、腰回りでもぞもぞ動くなっ…」
真後ろにいるアオイも気になるけれど、ジェットコースターが頂上について降下する。
私は掴むところがあるけれど、そもそも掴むところがないアオイが私の腰に手を回して怖いからか腕にグッて力を込める。これじゃ、まるでバックハグ状態すぎて、ドキドキが止まらないよぉ?!
「きゃぁーーーーーーー」
ジェットコースターのスピードに声を出しているのは私だけだ。
普段なら、ジェットコースターが終わると、もう1回行きたい!って言い出すタイプではあるものの、コレはさすがに恥ずかしくてもう1回乗りたいとは言えなさそうだ。
安全装置のバーが上がると、アオイも私を抱きしめていた腕をはなした。
「大丈夫??」
アトラクションから降りた私が、アオイへ手を差し出す。
頭がクラクラしていそうなアオイは、私の手を掴んだまま離しそうになかった。
確かに、これをミツルと一緒に乗ったら、私がいくら相手を好きではなくても気分はよくないかもしれないなと思った。




