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「そういえば、ずっと疑問なんだけど」
「……?」
「めるるんって、なんで俺のこと苗字で呼ぶの?」
お化け屋敷でいま聞くことでもなくない???
それに、そもそも下の名前で呼ぶ必要性を感じた事がないからですけど?
「そうだ!俺のこと名前で呼んでくれるなら、先歩いてあげるよ」
「え…」
とくに霊感があるわけでもないけれど、さすがにこの状況には、背筋の震えを感じざるを得ない。…どうしよう。
「一人で先に行っちゃうよ?」
「あっ……ミツルくん、待って」
私は、思わず背を向けた相手のシャツを掴んでしまった。
振り返ったミツルは、すごく嬉しそうな顔をして振り返った。
「やっと名前で呼んでくれたね。ね、めるるん俺の首に腕を回して?」
「え?え?」
私は、上機嫌なミツルに言われるまま、自分の腕をミツルの首に回した。
少し屈んだミツルは、私のお尻を持ち上げる。
「よっと」
ミツルの正面に、かつがれてしまった。
「これで、どこかに置いてくことはないから、進むね。めるるんは、怖かったら後ろ向いててくれてもいいし、目をつぶってくれてもいいよ」
たしかに、私が歩く必要はなくなったけど、これはこれで恥ずかしいような。そして、どちらかというと私のほうが結局は前なのでは??
後ろを向いていても、通り過ぎた幽霊とかを見てしまいそうで、私は目を閉じた。
「一応、頭はぶつけないと思うけど気をつけてね」
そう言いながら、棺桶が真っ二つに割れた間を通り抜けて、次のエリアに進む。
スポットライトが付いていた所から、いきなり真っ黒くて赤い布が垂れ下がったエリアに移った。
早く目を閉じないと、何かを目撃してしまう。と、思って目を閉じて首に回した腕に力を込めると、天井からいきなりガスが噴射される。
「きゃあぁぁあ!!」
目を閉じていると、どこから何が来るのか分からなくて、すごいビックリしてしまった。
「めるるん?!あまりギュッてすると前見えない!(あと、胸押し付けられてる!!」
「え、あ!ごめんねっ……うぅ」
びっくりしすぎて、少し目を開けちゃった。
おどろおどろしい音楽と、自分に当たらなくてもフシューという煙が出る音がしている。
『お皿が1枚……2枚……』
ミツルが、何か分からないけれど、なんらかの幽霊とすれ違っていく。
ミツルくんは何も言わないけれど、私は違和感を感じていた。
「ミ…ミツルくん?!」
「どうしたの?」
ミツルが足を止めてくれる。
「な、な、なんか、スカートひっぱられてる!!」
「え??俺の周りに今誰もいないけど」
ミツルが辺りを確認する動作をしているような動きをしている。
「え?え??え、でも……(泣」
私のスカートは、いまだに何かにひっぱられ続けている。
「とりあえず、ゴールまで急ぐねっ」
何者も飛び出して来ないエリアで立ち止まっていたミツルすら慌ただしてしまった。
少し早歩きになったミツルが、フシュー!!という風の圧と共に外に出たみたいで、目を閉じていても外の明るさが瞼の裏に届いて、私はようやく目を開けることが出来た。
お化け屋敷を出たところでミツルにおろしてもらう。
「める!やっと見つけたっ」
すると、そこへミツル軍団を連れたアオイがやってきた。
「なんだ、アオイと来てたのか。てか、お前さーこういう所にきたら、お揃いでカチューシャとか買うもんだろ」
ミツルは、そういうと自分が付けていたカチューシャをアオイの頭につけた。
「悪かったね。めるるん借りちゃって」
そう言い残すとミツルは、一緒にやってきた女子達と別のアトラクションを乗りに行ってしまった。
「迷路出たら、いつまでたっても出てこないから心配した」
「あ、ごめんねっ」
スマホを見てみると着信がめっちゃ鳴っていた。お化け屋敷の中にいたから、返信どころではなかったんだもん。とか、ただの言い訳かな。




