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結局、高校生活が始まったのに、友達はできないまま学級委員になってしまった。
正直、学級委員という役柄から、どうにか友達を作ろうと思っていたけれど、そんなに上手くいくものでもないらしい。
今日は、運動会の種目決めをしていた。
「みんなー話を聞いてー当日の種目を」
ガヤガヤとしたクラス内で、私の話を聞いてくれる人なんて、もちろんいない。
「んー俺、足が速いからリレーにでも出よっかなー?」
双子の片割れであるミツルが声を発すると、ガヤガヤしていた教室内はいきなり静かになった。
「えぇ!ミツが出るなら、私も混合でるでる!!」
さっきまで種目決めに見向きもしなかった人達が、たちまち手を上げ始めた。
さすが、このクラスのインフルエンサーね。
「あと、走りはサッカー部っしょ」
今日のミツルは機嫌がいいのか、体育の時間に見知ったのであろう足が速い男子達を競技ごとにどんどん当てはめていってしまう。
さっきまで生徒のみんなは嫌々ホームルームをしていたのに、ミツルが口を開くと皆が「いいよ!」って言うから、何も進まなくて困っていた時間がなんだったんだろう。とか、思えてきてしまう。
いや、ありがたいんだけどね。
「そんで?めるるんは何にでんの?」
突然、ミツルから変なあだ名で呼ばれてビクッとする。
「え?私?!…えっと、玉入れとか?」
地味で目立たなそうなやつがいいかな。てか、そもそも球技も体育も苦手なんだけど…。
「じゃ、俺もそれ出る」
え?なんで?私が出たいものにミツルも出るの?と、思っているとコチラの競技も一瞬にして定員が埋まってしまった。
「じゃ、私もでるー!!」
クラスの女子の半分くらいが参加することになった。ミツルは、本当に人気者なんだな。と、改めて驚かされる。
とりあえずは、競技と参加者が全部決まってくれたおかげで、私達学級委員は仕事を終わらせる事ができた。参加してくれる事になった人の名前をノートに書いておかなくちゃ!と、黒板の内容を書き写していると、クラスの皆は移動教室へと荷物を持って移動していってしまったみたいだ。
ふと顔をあげると、私の目の前にミツルがやってきていた。
「俺、めるるんの役に立った?」
ミツルは私の顔を覗き込むようにしながら、首を傾ける。
「え?まー?」
もしかして、この種目決めのことを言っているのかな?なんで、私の役に立ちたかったのかな。
「じゃ、ご褒美ちょうだい?」
瞳を閉じたミツルが私に顔をつきだしてきた。
「(ご褒美って…なんだろ??」
ミツルの行動に私が困っていると、アオイがやってきてミツルの頭をわしゃわしゃっと撫でた。まるで、大型犬をあやしているかのようだ。
「ちょっとー髪型崩れるから」
ミツルは、自分の兄からの行動をうとましく思いながら1人で移動教室へ向かっていった。
「兄弟仲良しなんだね」
「そんなことないよ」
アオイは否定したけれど、私はひとりっ子だから、兄弟とかに憧れがあって二人を見ているとなんだか微笑ましく思えてしまう。




