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ー26ー

 こうして、舞踏会のシーンは始まった。

 クラスの女子が思い思いに製作した衣装のドレスを着ている。皆、ミツルに自分が一番のお姫様として認められたいんだ。

 でも、私の衣装をアオイが用意してくれたから、本物のドレスに身を包んだ私が物語の主人公として、一番目立っていた。

 私は、転ばないように足元を確認しながら背面でミツルにぶつかった。

「きゃっ」

「おっと」

 お互いが振り返った時、ミツルがとてもびっくりしたような顔をする。

「ああ、なんとこの街にこんなに美しい姫が存在していたなんてっ」

 ミツルが私の手を取る。

「僕と一緒に踊っていただけませんか?」

「は、はい…」

 ミツルの表情がいつもと違って優しくて、今日はなんだか本当の王子様みたいに見える。

 ミツルが私の腰をグッと自分の方へと寄せて私達はダンスをする間、お互いの距離がとても近づいた。今日までにたくさん練習してきたけれど、こんなに近かったことないのに…。

 ステップを間違えないようにしなくちゃとか、いろいろ考えないといけないことはあるのに、近づきすぎた胸の鼓動が向こうにも伝わってしまいそうだ。

「(めるるん、すごい綺麗だね♪」

「!!」

 踊っている途中でミツルが私の耳元で囁く。意図せず、向こうと目が合ってしまって、ミツルからウインクをされてしまった。…これに落ちない女子とかいないんだろうなぁ。

 ちょうど舞踏会の音楽が止んだ。

「こんなに誰かと居て胸が高鳴ったことはない。貴女を帰したくないな」

 そう言ったミツルは、そのまま私にキスをした。

「(え……………なんで、キス??」

 予想外の展開に私はそのまま固まってしまった。


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