ー24ー
文化祭当日になった。一カ月におよぶ劇の練習のおかげで、どうにか配役通りにシンデレラを演じることが出来そうだ。
私はといえば、いまだにハイヒールでダンスをする事が上手くできないでいる。
「大丈夫かな…」
「緊張してんの?」
そんな私のところへアオイがやってきた。
今日のアオイは、普段のウザったそうな前髪をオールバックにしていた。
「一瞬、誰かと思った」
クラスの女子がアオイに作ってくれた物はフードが付いたローブしかなくて、その下は自前の真っ黒いスーツを着込んでいた。
ミツルの衣装は真っ白いスーツなのだが、それとは対照的な王子様のように見えなくもなかった。
「ねぇねぇ、朝倉さんの隣にいるのって誰?」
「ミツに匹敵するくらいのポテンシャルない??」
そりゃ双子なんだから、見た目の差はあまりないよね。できれば、クラス中にアオイの良さを知られたくない…。みたいな気持ちになってしまいそうだ。
そこへ衣装を着込んだミツルがやってきた。
「きゃーーミツ最高!!」
「写真映え半端ないっ」
よかった。やっぱり皆の目にはミツルしか映ってなくて、すぐにミツルが注目の的になった。
「おはーそんなに衣装似合ってる?作ってくれた人のおかげだねー」
今日もミツルの笑顔が皆の活力へと変わってゆく。王子様というよりは、本当にテレビに出てくるアイドルみたいだ。と、思えなくもない。
そして、私達の劇の時間が始まった。
『むかしむかし、あるところにシンデレラという健気な女の子がいました。
母を亡くし、再婚した新しい母とその娘達にイジメられるも毎日めげずに生きていました。そんな家族の元に一通の手紙がやってきます。』
ナレーションと共に継母達がやってくる。
「お母様、見てみて!舞踏会の手紙よ」
「もし、王子様の目にとまれば!!」
「急いでドレスを作らなくてはね」
家族の人たちは、王子様に会えるのを楽しみにしている。
「シンデレラ!貴女は、もちろんお留守番よ」
「だって、そもそも舞踏会に行くドレスなんてないでしょ?いま着ている洋服だってボロボロなのに」
そう言って、家族の人達が私の衣装に手をかけると、ビリビリビリという音を立てて、袖や裾が破かれてしまう。
「きゃっ!!」
いきなり衣装がなくなって腕と足があらわになる。私は、ステージから背を向けるとペタンと床にしゃがみ込んだ。
「(ど、どうしよう…」




