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気がつけば、もう11月になっていた。もうすぐ文化祭のシーズンになった。
私達の学校はどうやら一年生はクラス店ができないらしく、一年生の全クラスは劇をするらしかった。
私のクラスは『シンデレラ』をすることになった。
「えーと、文化祭の劇の役割を決めていきます」
今日も例のごとく配役は何も進んでいかない。
「はーい。朝倉さんがシンデレラやるなら、私達は家族の役割やってもいいけどー?」
めずらしくミツル軍団が積極的に劇に参加の表明をしてきた。
「え、私が?!主役なんて無理だよ…演劇部でもないのに」
「めるるんがシンデレラなら、俺が王子様の役やってあげるよ」
なにも進まない配役もミツルが参加するとするすると決まっていってしまう。でも、このままじゃ私がシンデレラをやることになってしまうんだけど。
「クラスの皆がお姫様やるなら、キャンプファイヤーで踊れなかった人達とももう1回ダンスのチャンスがあるのかもね?」
舞踏会のシーンの女子を集めるためにミツルは、クラスの女子を全員参加させるつもりみたいだ。
「それなら、やる!(ちょい役だし」
なんだか、ガヤガヤとしてきて、私が別の役に変えることはできなそうだった。なにより、私がシンデレラじゃなければミツルは王子様をやらないみたいで、私のシンデレラが決定してしまった…。なんでぇ??
「…えっとー」
「はぁ…仕方ない。俺が魔法使いの役やるか」
そして、最後まで決まらなかった魔法使いのおばあさんの役をアオイがやることにしたみたいで、一応役決めは終わった。
「あらあら、なんでこんなことも出来ないのかしらー?」
「本当にどんくさいのねぇ」
「汚いから近寄らないでちょうだい」
劇の練習が始まると、なんでミツル軍団が私にシンデレラをやらせたかったのかが分かった…。やりたくもない役で、なんでこんなにストレスを溜めないといけないの。
「あぁ、私も舞踏会に行きたいのに…私には似合うドレスもない…」
「それでは、私が貴女に似合うドレスを差し上げましょう」
そう言いながらアオイが私の手をそっと持ち上げる。
なんだか、アオイに見惚れてしまいそうだ。
「(だめだめ。これは、ただの魔法使いのおばあさん…ただのおばあさんだから」
「める、セリフ」
アオイの一言で現実に戻される。
「あ、えと、私がお姫様みたいになんかなれないわ」
「貴女の魅力を最大限に引き出すドレスにしましょう。さぁ、この服を着て舞踏会へ」
劇の練習をしている隣で、クラスの女子達が思い思いに着たい服を製作している。
もちろんミツルの衣装も作れるとあって女子達はミツルの採寸が出来てご機嫌な様子だった。
「ああ、僕はこのガラスの靴をあの夜にはいていた女性をこの街から探し出したいんだっ」
ミツルの王子様がそう言うと、「それは私です!」と、ばかりに女子が列を作る。
「なんだか、いつものうちのクラスと光景がほぼほぼ変わらないね」
「ま、それで劇がなんとか進行するならいいんじゃないか?」
それを見つめながら、学級委員の私達は、劇が形にはなってくれそうなことに安堵した。




