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明日へ  作者: yukko
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旅の終わりに

思い出しながら歩いていると話しかけられた。


「迷惑だったよね。」

「そうね。迷惑だった。」

「そう言って貰えるのが良いなぁ。」

「奥様は言えなかったの?」

「うん。そうだったな……常に受け身だった。

 ……君が強いと言ったのは、気が強い!って意味じゃないんだ。

 芯が強い!という……いい意味での強さ。

 優しいって強さが無ければ成り立たないと思うんだ。」

「なんか……印象が違い過ぎて……。」

「そうだよな……あははは………。」

「私のこと知らないのに……好きだとか……

 寂しいからでは?」

「寂しいというのもあるかもしれないけど、なんだろ……。

 好きになるのに理由って要る?」

「……それは……。」

「もう、この歳だしさ。恋愛も結婚も難しいよな。

 若い頃と違って、さ。」

「そうね。」

「それでも最後の恋かもしんないって思ったんだ。」

「最後の恋。」

「僕は君より3歳年上でバツ1だけど、立候補だけはさせて!」

「立候補って……ふふふっ……なんか古すぎ。」

「そりゃ、年だから。

 それから、僕の過去を話したけど、君は話さなくていいからね。」

「どうして?」

「伝えたいと思った時、で良いからね。

 聞いたから話さないといけない訳じゃない。

 無理しないことが一番かな。」

「分かったわ。」

「今日はありがとう。

 会えて嬉しかったよ。話せたし……。」

「私も良かったかも……。」

「かも?」

「ええ、かも。」

「いいな。やっぱり、君が良いな。

 また、会ってくれるかな?」

「そんな気持ちになってないわ。」

「だろうね。

 ………もし、そんな気持ちになったら電話して。

 僕は待ってるから……。」

「その待ってる時間に素敵なめぐり逢いがあるかもしれないわ。」

「その時は、その時で。」

「そうね。」

「今日は帰るよ。

 皆さんに挨拶してくる。」

「いいのに……。」

「そんな訳にはいかないよ。」


ロビーに戻るとみんなが座っていた。


「皆さん、今日はありがとうございました。

 帰ります。」

「失礼なことを言いました。」

「いいえ、当然です。」

「お帰り前に……お願いが……。」


美里夫婦が下村一輝と少し話していた。


「何してるんだろ?」

「いいんじゃないか。気にしなくても……。」

「そうそう。もう40過ぎだしな。全員。」

「でも、私にだけ過保護よね。お兄ちゃんたち。」

「そりゃ可愛い妹なもんでっ。」


美里夫婦と話し終えた下村一輝は頭を下げて帰って行った。


「さぁ、今日も夜はピンポン大会開催しますか。」

「開催しましょう。今日は女性VS男性で、ね。」

「詩織も今日はピンポンするのよ。」

「私、めっちゃ下手だよ。」

「気にしない。気にしない。」

「それもまた楽しいからな。」

「今からは予定通りにするのよね。」

「うん。神戸に行こうよ。」

「昔さ、あったよね。異人館。」

「あったあった。」

「今はどうなってるのかな? 無くなったってネットで見たんだよね。」

「そうらしいな。」

「行く先は予定通りにメリケンパークよね。」

「出発時間が少し遅くなりましたが、行きましょう!」

「はい。参りましょう。」


その日、皆でメリケンパークへ行った。

園内には神戸ポートタワー、神戸海洋博物館などがあった。

美しい港の景色を堪能した。

この旅の終わりに行った神戸。

そう言えば、今この神戸に下村一輝も居るのだった。

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