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まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記【連載】  作者: 日暮キルハ
まだ魔王討伐を終えた優秀な幼なじみ達とまともな日常を送れると思っていた時期もあったごく普通の青年の日記

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あれから三年

お久しぶりです。

また今日から投稿していきます。

 ようやく長かった旅が終わる。

 思い返せば最初から最後までずっと想定外のことばかりだった。


 俺はただ俺と違って優秀な幼なじみ達の帰りを待とうとしていただけなのに、気づいたら拉致られて魔王討伐の旅なんて危険な旅に連れていかれた。

 なんとか帰るあてを探そうとしたら不敬罪でそれどころじゃなくなったり、気づいたら勝手に迷宮の攻略に連れていかれていたり、変な魔法道具に懐かれたり。

 あげくの果てに起きたら魔王軍の幹部に拉致されてたり。


 思い返してもことごとくめちゃくちゃなことしか起きてない。

 それも原因を辿ればほとんどは幼なじみのせいで起きたことばっかりなものだからあいつら実は俺のこと嫌いなんじゃないかって今でもちょっと疑ってる。


 でも、今日でそんな生活もおしまい。

 旅に出る前とは色んなことが変わってしまった。もう、あの頃には戻れない。なんなら故郷にも戻れない。


 まぁ、それはもう仕方ない。

 命があればなんとでもなる。

 皆で楽しく生きられるなら、俺にはそれ以上の願いなんてないのだから。


 ユーリがいい場所を知っているらしい。

 まずはそこに家を建てよう。大きくなくっていい。皆で暮らせる程度の大きさならそれでいい。そのあとのことは……それから考えよう。時間はこれからたくさんあるのだから!


 ……うん、明日からが楽しみだ!


◇◆◇◆◇


 昨日、ギルドハウスの私室の大掃除をここに来て以来、初めてすることができた。

 その過程でこの日記帳が見つかった。

 なくしたと気づいたときはあれだけ必死になって探したのに、掃除をしていたらひょいとでてきたのだ。


 最後に書かれたのは勇者が魔王を殺し、そして勇者が死んだとされる日。

 その日の日記を読んで、思わず目頭が熱くなる。


「……そっか。三年前の俺、こんな希望に満ち溢れてたんだな……」


 そして、それと同時に重く長いため息がこぼれた。


「でもな、お前、三年後には闇ギルドのマスターやってて平和とは無縁だぞ?」

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