我の主は日記好き13
翌日。随分と懐かしい男がやって来た。
どうやら人間はやめたらしかった。どこまでも傲慢で強欲で腹の立つ男だ。
ほんと我、こいつ嫌い。
「……おやおや、君、とても珍しいものを持ってるね?」
「え、いります?」
おい、やめろ主。マジでやめろバカ主。差し出すな!我を!
「いや、遠慮しておくよ。気持ちはありがたいけど、彼女は私に触られることを許してはくれないだろうからね」
「……?」
当たり前だ。
こいつに触れられるくらいなら主の体を乗っ取って切り刻んでやる。
「さて、ではそろそろ本題に入ろうか? ああ、そうだ! まだ自己紹介をしていなかったね。私はトイ、ギルドのとっても偉い人だよ。よろしく!」
「あ、はい。よろしくお願いします」
うわ、主。お前絶対その手あとで洗えよ?その手で絶対我のこと触るなよ?
「えっと……俺は」
「構わないよルーク! 君も君の幼馴染のことも君達がしてきたことも、全て私は知っているからね!」
満面の笑みで、悪意なんてまるでない笑みで、相変わらず気持ちの悪いことを名無しのクズは抜かす。
大体、何がトイだ。お前は名前なんかとっくの昔に捨てただろ。今更生き物の真似事なんかするな気持ち悪い。
引いている主に気づくことすらなく、仮面のように張り付いたままの笑顔でクズは続けた。
「面倒ごとは嫌いでね、単刀直入に言わせて貰うよ? 君、ギルドに興味はないかい?」




