我の主は日記好き10
魔王城が燃えている。
それをやった本人はなぜか若干青ざめた顔をしていた。
ここ数日のことだ。
普段は寝るか気を失うかしか能のない主が主にしてはよく働いていた。
その結果がこれだ。
やっぱり、主はなにもしない方がいいのかもしれない。
「……しまった。日記帳忘れた」
青ざめた顔をしていたのはそれが原因か。
せっかくしまったのにちょっとだけとか言って鞄から出すからそうなるんだ。バカ主。
「ルーク、はいこれ」
「ん……初代日記帳じゃん! 保管しといてくれたんだ……ありがとな」
「ちゃんとルークがいない間の日記もつけておいたよ」
「何してくれてんの?」
「みんなで内容の共有も済ませてあるからね!」
「よかれと思えばなにしても良いと思うなよ?」
「そんな、お礼だなんて……」
「言ってねえ。耳どうなってんだ」
少し見ないうちに変わることなどまるでなく、勇者は相変わらず勇者らしい。
ただひとつ変わったのは、主が拐われるまではなかったはずの気持ち悪い面が腰にさげてあること。
うーむ……。どこかで見たことのあるような、ないような。なんだったか、あの面。
「ねぇ、ルーク」
「ん、なに?」
「これからどうする?」
我が喉元まで出かかけている答えに辿り着けず悶えていると、勇者が主に問いかける。
少し迷うような素振りを見せてそれから主は答えた。
「……家が欲しい。みんなで住めて、周りにあんまり人はいなくて、のんびり生きていけるようなそういう場所」
主にしてはなかなかどうして良い目標だ。
のんびり生きていけるような場所なら我を存分に使えるし、我も主のこと鍛えてやれるもんな!
な?




