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まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記【連載】  作者: 日暮キルハ
我の主は日記好き

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我の主は日記好き3

 最初に思ったのは、ぱっとしない少年だなということだった。

 決して不細工というわけではない。むしろ、どちらかと言えば綺麗な顔をしている部類に入るだろう。

 ただ、どういうわけか酷く印象が薄い少年だった。

 それこそ、道ですれ違って一瞬あれば少年がどんな顔をしていたか思い出せなくなる程度には。


 それから、どうやらこの少年は料理をするらしい。

 壁が壊された衝撃で完膚なきまでに壊された封印のなかから我を取り出した瞬間に分かった。そういう手をしている少年だった。


「魔法道具って奴か? 迷宮なんかにあんのにめちゃくちゃ状態良いじゃん。絶対高いんだろな……」


 我を持ち上げて傾けたり遠ざけたりしながら我の全身を舐め回すように眺めたあと、少年はそう言った。このエッチめ。


「ルーク、どうかしたのかい?」


「ん。や、包丁見つけた。たぶん魔法道具って奴じゃない?」


「流石ルークだよ! きっと国の一つや二つ買えるくらい貴重な品に違いない!」


「んなわけあるか。適当なこと言うのやめろ」


 国の一つや二つ滅ぼしたことなら何回かあるけど……。

 まぁ実際、我の価値というのはそれこそ分かる者にとっては存外その程度なのかもしれない。

 どうやら、我を見つけた少年、ルークとやらには我の価値は分からなかったらしいが。少し残念。


「それ、欲しいなら僕から王様にお願いしてあげるよ? 勇者権限で」


「王様倒れちゃうからやめたげて」


 そんな他愛もない、どこか危うい会話をしながらルークは我を他の仲間のもとへと連れていった。

 ……ふむ。なかなかどうして我の扱いが丁寧だ。そういうの我嫌いじゃないぞ。

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