五十四日目
この部屋を貰った日、実はレインが俺を助けに来てくれていた。
迎えに来たと言われ、諸々考えて残った方が迷惑をかけないと判断した俺に「じゃあできるだけ側で守るようにしとく」と言って今日まで姿を見せないで守ってくれていた。
日記が盗み見られる可能性があったから今日までは書かなかったけど、どうやら俺を守るついでにレインは色々と情報を集めていたらしい。
そんなレインが「あの魔王、イケメンでいけ好かない奴だけど別に悪い奴じゃないと思うぞ」なんて言いだした。
魔王の父親、先代の魔王が急死して若くして魔王の座についてしまった。本人は経験の薄い自分ではなく幹部の誰かが魔王になるべきだと主張したが、これまで魔王の血族が魔王になってきたことから受け入れられなかった。まだまだ経験は浅いものの、日々の努力により魔族達からの評判は上々。しかし、本人は先代である自分の父親に追い付き魔王らしくあるために成果を求め足掻いている。そして、半年ほど前から何やらおかしな連中と関わりを持ち始めた。
だからなんだよ。知らねぇよ。
個人的な意見だけを言うなら、あの魔王が気に入らないことも相まってそんな冷たい返答になる。正直言って興味もない。
でも、そんな俺にレインはなぜかやたらと「魔王の良いところアピール」をしてくる。
何かがおかしい。そう思って問い詰めると「いや、実は魔王の妹が超可愛くてさ……」とか言い出したので人類は魔族より私情で裏切る気満々のこいつを始末した方がいいと思う。
で、そんなバカに「な?いいだろルーク?な?頼んだぞ?何とかしてくれるよな?な?」と詰め寄られて思わず首を縦に振ってしまったもう一人のバカはもっとしっかり自分の意見を持て。




