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まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記【連載】  作者: 日暮キルハ
まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記

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五十一日目

 なんか、牢獄から出してもらえた。

 あと、新しい日記帳と部屋が貰えた。

 たぶん、何かしら魔王軍での方針が変わったのだろう。


 浚われて監禁されてしばらくしてからずっと不思議に思っていることがある。

 魔族はどうして今回の侵攻を行うことを決めたのだろうか。

 

 最初は食糧難みたいなやむにやまれぬ事情があるのかと思っていた。

 これまでそんな素振りをまるで見せなかった魔族が、圧倒的に個の力で優るとはいえ、それを凌駕するだけの「数」がいる人間に確実に勝てる保証のない戦争を起こすのにはそれに見合うだけのやむにやまれぬ事情があるのだとばかり思っていた。


 けど、実際に浚われて囚われの身になってはっきり分かったことがある。

 魔族は現状ですでに十分すぎるほどの生活水準を得ている。それは俺のような捕らえられた者に与えられる食事一つをとってもそうだし、見張りや廊下を歩く魔族の顔つきを見ても分かる。

 彼らは決して生活に困窮してなどいない。


 では、何が目的か。

 それがどれだけ考えても想像がつかない。

 現状では優勢とはいえ、ユーリのような勇者の登場でひっくり返るような危ない橋を渡ってまで戦争を起こすような目的がどれだけ考えても浮かばない。


 他にも気になることはある。

 俺に出される食事のことだ。

 味に関しては文句無し。凄く美味しいし、なんなら調理の様子を見せてほしいくらいだ。

 でも、どうしても納得がいかないことがある。


 使われている食材のなかに、魔族達の生きるこの環境ではとても生息できないはずのものがある。

 これはどう考えたっておかしい。

 魔族と人間は必要外の接触をとことん避け続けていた。それがお互いのためになると信じられていたし、実際関わらないことで衝突は避けられていた。貿易なんて当然行われていないし、人間の国では接触を禁止する法律すらある。

 にもかかわらず、どうして使われているはずのない食材が使われているのか。一体、それをどこで手にいれたのか。


 どうにも、何かがおかしい気がする。

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