三十九日目
朝、外に出ると当たり前のように第三王子の隣に第八王女がいた。凄く眠そうに目を擦っていて、俺の姿を確認するや否や「早すぎるのよ! もっと遅くにしなさい!」って怒られた。理不尽ここに際まれり。
なんか、今日から第八王女も付き合うらしい。とは言っても、もちろん彼女は走らない。だから、正しくは第三王子の付き添いとでもいったところ。
第八王女が加わったことを除けば別段何か大きく変わったことはない。落ちてしまった体力は戻らなくて今日もランニングが苦しかったし、川を乗り越えることもできなかった。どうにもバランス感覚に難がありそうなのでその辺を鍛えてみようかなんて思いつきが一つ増えたくらいのこと。
何も変わったことはない。
変わったことはなかったけど、代わりにちょっとした発見はあった。
夕方からは室内で勉強だったのだけど、一冊読み終えてふと隣を見ると、第三王子も第八王女も本を枕にして寝ていた。知っていたのに、兄妹だなぁなんてまるで中身のないことを思ってしまった。
髪の色とか、顔の造形とか、たしかに似ている部分はあるのだけど、そういうふとした瞬間に出てくるものが似ているのはきっと普段から一緒にいる時間が多いんだろうなぁなんてほんわかしたことを思って窓の外を覗き込むと幼なじみ達が今日も元気に暴れていた。
……俺達も幼なじみとしてかなり長い時間一緒に過ごしてきたわけだけど、少なくとも俺はあいつらには全然似てないな。なんなら一緒にしないで欲しいまである。




