三十七日目
村に居た時からそうだった。
あいつらは俺が風邪をひいた翌日絶対に移って絶対と言っていいほどに寝込む。普段は風邪どころか病気なんてものとはまるで無縁なくらいに頑丈な奴らなのに、なぜか俺の風邪だけは確実に貰っていく。
村に居た時は、あいつらの親があいつらの看病をしていた。では、あいつらの親がいない今の環境、一体誰が風邪をひいたあいつらの面倒をみるのか。
……ははっ。
俺の部屋は、現在進行形で四人の病人に占領されている。
ベッドもソファも全て病人共が幸せそうな顔で眠りこけている。
風邪ひいたからって俺の部屋に来るのは違うだろ。
朝、ノックの音に扉を開けると、毛布にくるまって赤い顔をして震えながら横一列に並んでいる幼なじみの姿があった。いい加減手慣れたもので、何も言われずともおおよその事態を察した。
とりあえず部屋に入れて、ベッドやソファに寝かせて熱を測り、症状を確認。一通り済んだらアルマさんに今日はどうしても行けないということを伝えに行って、その足でそのまま各々の師匠達に事情を伝えると、苦笑交じりに快く休むことに了承を貰えた。なんか、あらぬ誤解を招いていそうな微笑ましいものを見る目で見られていたのが気にかかる。あいつらは俺に一発ずつ殴られても文句言えない。
それから、部屋に戻って「体拭いて」だの「お腹すいた」だの「喉乾いた」だの「絵本読んで」だのわがままを聞いているうちに眠りについて今に至る。
いっそ、誰かしらに看病を丸投げすることも考えたけれど、普段から迷惑をかけることには定評のある連中を風邪をひいた状態で任せたらどうなるかと考えるとゾッとしたので諦めた。最悪、第三王子が死ぬ。
そろそろ昼になる。
起きたらまたわんさか騒ぎ出すだろうから、飯の準備くらいはしておこうか。




