三十六日目
ルークが風邪をひいてしまった。
だから、今日は皆で看病をする。頑張る。頑張ってルークを治す。
ルークは、すぐに遠慮して謙遜する癖がある。
いつも私達に迷惑をかけないようにっていっぱい考えてくれている。
でも、困ったときくらいは頼って欲しい。私達は幼なじみなんだから。
「いいから、ほんとにいいから。頼むから帰って。お願いだから寝かせて? 大人しくしてて? ね、お願いします。命だけは勘弁して」
なんて言って私達を部屋から追い出そうとしていたけれど、それがルークなりの照れ隠しだって私は知っている。
だって、幼なじみだもん。そのくらいは簡単に分かる。えっへん。
他にも分かることはいっぱいある。
私は、ルークが日記をつけていることを知っている。他の皆は知らないけれど、私は知っている。なぜなら、前にルークの部屋に朝遊びに行った時、ルークが机の上で日記を書きながら寝ているのを見たことがあるからだ。
だから、私はルークの今日の日記を書いてあげることにした。
皆は知らないけど、私だけはルークが日記をつけていることを知っているから。
ルークに何を書くか聞いたら、ルークは青い顔をして「や、やめっ……」と言いながら弱々しく私の方に手を伸ばした。
とても体調が悪いのだと思う。だって、あんなに青い顔をしているのだから。
私は、そっとルークが伸ばした手を両手で包み込んだ。
きっと、苦しくて、辛くて、不安で、思わず手を伸ばしてしまったのだ。普段のいつも難しい顔をして何かを考えているルークもカッコいいけど、こういうところも可愛くて良いと思う。
手を包み込むと、一度目を大きく見開いて、それからまるで気絶するみたいにルークは眠ってしまった。
私は困ってしまった。ルークが何を書くつもりだったのか聞けなかった。
だから、今こんな風にあったことをそのまま書いている。でも、ほんとにこれでいいのかな?……そうだ、他の日の日記を読めば何か分かるかもしれない。私、天才かも。むふー。
…………なんか、最近の日記読んでみたけど、あの変人王子のことばっかりでつまんない。
ルークはもっと私達とのことをいっぱい書くべきだと思う。
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言いたいことは山ほどあるけど、とりあえず人の日記勝手に書いて読んだ挙げ句批評すんのやめろ。




