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まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記【連載】  作者: 日暮キルハ
まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記

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29/102

二十八日目

 最近、午後の勉強を始める前に比べて集中力がついたような気がしている。

 始めた頃は、せいぜい十ページも読めばなんとなく集中が途切れていたけれど、最近では調子がいいと気づけば一冊丸々読み終わっているなんてこともある。


 今日はそんな日だった。

 丸々一冊読み終えて、学び終えて。頭のなかで得た知識の確認を行って、伸びのついでに時間を確認して思ったより時間が経っていたことを自覚した。

 それから、隣で本を枕に寝ている第三王子にこいつ何しに来たんだなんて思いながら休憩がてら窓の外を覗き見る。


 今日はユーリとアリスが合同の日らしい。

 タイミングが良かったようで、ちょうど二人の模擬戦が始まるところだった。

 ユーリの師匠の手が振り下ろされるや否や二人の姿が消える。厳密には俺の目では二人の動きが追えず消えたように見える。


 時おり見える閃光と爆音に、ここまで差がありすぎるとまともに見物するのも無理なんだなぁなんて思いながら頬をひきつらせていると、不意に二人が現れた。

 すでにお互いの手に木刀はない。たぶん折れたか砕けたか消失したか、何にしたってあの二人が使うには脆すぎたらしい。

 ユーリが心底楽しそうに笑う。アリスがいつも通りの無表情でつまらなさそうに土煙を払う。


 さてさて、どっちが勝つかなー。

 なんて、完全に野次馬根性丸出しで窓枠にもたれ掛かって見ていると、背中にずっしりとした重みがのし掛かった。

 重みに振り返れば第三王子。アホみたいに目をキラキラ輝かせて「俺も交ぜて貰ってくる!!」って部屋から駆け出していった。


 あまりにも急な出来事で俺はそれを止め損ねた。

 考えた。

 窓を閉めた。

 カーテンを閉めた。

 本を開いた。

 悲鳴が聞こえた。


















 そっと、耳を塞いだ。

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