十九日目
午後、まともに料理してないけど大丈夫ですかと聞いてみた。
優先順位が低いと言われた。
料理人として指導を受けてるんだよね、これ。
アルマさん曰く、俺に料理の才能はないらしい。
まぁ、そりゃそうだ。アリスが適当なこと言った結果こうなっただけで、俺の料理なんてせいぜい人に食わせられないほどではない、程度のもの。元々、両親が早くに死んで身の回りのことをなるべく自分でやらなきゃいけなくなったから、生きるためにできるようにしなくてはいけない多くのことの一つに自炊があっただけ。そんな奴の料理が本物の料理人に認められるわけがない。
……でも、そんな奴の料理でも美味しいって言ってくれるバカ舌が俺の知ってる限りでも四人はいる。
それこそ、自炊を始めたばっかりで見た目からして失敗してるような黒焦げの料理でも美味しいって言ってくれるバカ舌が。
だから、凡人だって知ってるけど、才能がないのも知ってるけど、それを否定されるのはちょっと悔しかったりする。
悔しいとか、見返してやるとか、絶対俺の柄じゃない。
でも……
……ん?
……そうだよな。
俺、アリスがめちゃくちゃ言ったからこうなっただけで別に料理人でもなんでもないよな。
……おや?何かおかしいような……?
いや、きっと気のせいだ。
明日も早い。そろそろ寝てしまおう。




