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      その4


 オフェンシブに変えてからの数日は、まず朝はK地区にある洒落た喫茶店でモーニングを味わいながら店主とクラシック音楽について語り合っていたのだけれど、クラシック談義は、なにも知らないのにあてずっぽうで話していたので、シューベルトについて議論しているのに「シルヴィ・ヴァルタン」だとか「ロス・インディオス&シルヴィア」をつい引き合いに出してしまって、店主をしばし硬直させてしまうことになっていたし、またそんな空気を払拭するために、トーストをむしゃむしゃ食べると、紳士の雰囲気をかもしだすために装着していた付けヒゲが取れてしまうアクシデントに見舞われることにもなっていたので、


「ドビュッシーって、あっちの話じゃなかったんだな……」


 という趣で徐々に店には行かなくなっていったのだった。


 そんなわけで、この問題について妹の京子に相談してみると、京子は図書館だとかそういうお金のかからないところで楽しみを見出したほうがいいよ、というような助言をしてくれたのだが、そう言われても図書館以外はどこに行ったらいいか、いまいちわからなかったので、ぼくは真摯な態度でお願いして、京子からいくつかのおすすめスポットをおしえてもらった。


 おすすめスポットのひとつには〈なかよしおともだち公園〉というかなり健康的なところがあって、京子の説明をきいていると、そこが一番、


「長時間滞在するにはいいかな」


 と思ったのだけれど、しかしお食事の問題はまだ残っていたので、このあともさらに詰めた協議をすることとなって、で、長時間協議した結果、朝食はコンビニかスーパーの菓子パンでとりあえず済まし、昼食は連続で出来合いのものだとエンゲル係数的にもたいへんなので、妹が、


「お弁当をつくって公園に持って行ってあげるよ」


 ということで最終的には収まったのである。


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