俺の知らない国になっていた
「なんか、すごいことになってるな!」
新王都から旧領都まで、新しい道で繋がっていた。
新しい幅広の道路は蛇行することない1本道だが、
主要な都市と繋がっていた。
王都から、馬車で旧領都に向かったのだが、
最初に道の横にメガソーラ発電所が姿を現した。
次にダンジョン。血のように禍々しい色の大木だ。
近くにあった教会は無くなり更地に戻っていた。
入口部分は、大きな建物に囲まれていた。
冒険者ギルド。
とても豪華な外観から、大層儲けていることが伺えた。
旧領都。
「本当に消えてる……」
有名な商人、職人たちが構えていた店が消えていた。
日本のシャッター街を思わせる。ガラガラだ。
ここには中小の商人しか残っていなかった。
それでもダンジョン産の珍しい品々が高値で売られていた。
いずれ、彼らも名のある商人に育っていくだろう。
ダンジョンは、
次々と珍しいものを提供し続けてくれるのだから……。
ここは、いずれ活気を取り戻していくだろうと思った。
いなくなった店には貼り紙が貼られていた。
=新王都『アーク』に移転します=
俺の名前じゃないか……。
名前をつけたのは、たぶん、あいつだろう。
言うことを聞かず何でも既成事実にしていく、
あいつの仕業に違いない。
まぁ、いいけど。
別の店にも貼り紙があった。
=温泉街『ミカン』に移転します=
地図を見ると、王都と港の間にある町らしい。
「山を更地にした時に、温泉が湧いて来たみたいですわぁ~」
やっぱり、おまえか
「更地にしたのは、わたくしではありませんわぁ~」
まぁ、そうだけど。
「ちょっと待って、今、うちの国内どうなってんの?」
ローラは地図を取り出した。
東の国境から西に向けて大きな道が通っている。
ローラは、新しい道路に沿って、東から順に説明していく。
「国道一号線ですわぁ~。
旧領都を出ると、ダンジョン、発電所、
王都、温泉街を通って港まで続いてますわぁ~」
へぇ。
国の大動脈ってことか。
「道路の地下には、
送電線、上下水道、地下鉄などを埋設してますわぁ~」
「え? 地下鉄?」
やだ、何、それ、見てみたい。
実は、電車大好きなのだ。
「地下鉄、どこなの?」
「そこですわぁ~」
地下鉄の入口があった。
行ってみよう。
すぐ、行ってみよう。
エレベータもあったが、エスカレータで降りてみた。
だけど……なかなか着かない。
長すぎない?
どこまで潜るんだ。
「地下200mですわぁ~」
「深っ!」
「ここが改札ですわぁ~」
「扉しかないじゃん」
改札には発券機も何もなかった。
「今は、生体認証で政府役人だけ乗れますわぁ~」
例のスマホのレーザーキャンか。
「いつの間に生体認証を?」
「戸籍作った時に、国民全員の顔を登録済ですわぁ~」
怖っ。便利だけど怖っ。
扉に俺が近づくだけで、そこが開いた。
「おぉ……」
「ダイヤはどうなってるの?」
「今は、人が来たらやってきますわぁ~」
ホントにやってきた。
キラッと前照灯が見えたと思ったら、1瞬で目の前に……。
とても速いんだが……。
新幹線のように先端が鋭利な形状だ。
なんか、カッコイイぞ。
ゴォォォ……
すごい風……。
ホームドアが完備されてて良かった。
「時速400kmで走行してますわぁ~」
速いな。
ホームドアと、車両のドアが開いた。
早速、乗ってみる。
車内は広い。
座席もふかふかだ。
走り出すと体がシートに押し付けられる。
「これ好き!」
窓の外を見ると、パラパラまんがみたいになっていた。
ネズミとネコの騙し合いのようなものだった。
これは、かわいいし、おもしろい。
でも……
「着きましたわぁ~」
すぐ着いてしまった。
残念。
降りた先は、王都だった。
遷都して数日しか経過してないが、
商業街、職人街などが既に出来上がっていた。
そればかりか、職人たちが住宅建設を始めている。
よく見ると、領都にいた職人と、商人じゃん。
「おまえの仕業?」
「ち~がいますわぁ~。遷都の話しただけですわぁ~」
そうだった、この商人や、職人たちは、
お金に対しての嗅覚がすごい人たちだった。
王都は碁盤の目のように道路が縦横に整備されていた。
王都を囲む塀はないが、水堀が用意されていた。
「あの堀って、どのくらいの深さなの?」
「50mくらいですわぁ~」
なるほど、落ちたら死ねると……。物騒だな。
「一応、柵が付いてますわぁ~」
更に奥まで見る。
噴水形式の共同水汲み場まで整備されている。
「あれ? ここって、水道まで整備したん?」
「家庭内まで引いてますわぁ~」
王都では、各家庭に水道だけではなく、電気やガスまで整備されているそうだ。
「この世界の人、本当に使いこなせるのか?」
「それは、これから脳に直接教育するので大丈夫ですわぁ~」
「えっ!?」
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