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ウソつき王様の引退計画(「ウソつき賢者の領地再建」続編)毎日12時更新  作者: 秋月心文


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39/40

忘れてた

「何やってんの? バカなの?」

 ライナにバシッと叩かれる。


 俺はエリナに手伝ってもらって、これまでについた「ウソ」のうち、エイジア皇国にも影響しそうなものを確認している。


 その中に、確認のためにテキトーについた「ウソ」があった。


「ネコは空を飛ぶ」という「ウソ」だ。


「それの何が問題なのじゃ」

 ね? そう思うよね?


「肉屋などは肉を吊るすだろう」

「なるほど、ネコが飛んでいるから食われるのか」

 苦情が結構出たんだよなぁ……。


「あと、空からネコが降ってきて、爪で引っかかれる被害も出た」

 主に、俺が引っかかれていたけど……。


「どう対処したのじゃ」

「道路や市場の上を網で覆った」

「すまんが、ここでも、それをしていってくれ」

「わかった。結構大変じゃな」

 皇帝は真摯にメモを取っている。

 やりやすい人だ。


「他には?」

「灰も言っておいたほうがいいんじゃない?」

 さすがエリナ。

 俺より、俺の言ったことを覚えてる。


「灰?」

「『灰を土に撒くと、一瞬で作物が育つ』ということにしたんだ。

俺の領土になったから、ここで出た灰も同じになるはずだ」


「おぉ。すごいのぅ」

「俺の国で出た灰でしか効かないから、他国には欲しがるところも多い。かなり高値で売れる」

「そうじゃろうな」

「だから、民が木を切りすぎないように注意してくれ」

「なるほど」


 そう言いながら、皇帝はメモを取る。


「それを使えば、今後、食糧には困らないのじゃな」

「その代わり、作物が余って困るから覚悟してくれ」

「あははは。民が飢えないのなら大歓迎じゃ」


 エリナが、ヤバい指摘をしてくる。

「そういえば、北西部にこの石でできた山ができる。南西部にもできるって言ってもらってた」

 そうだった。

 100兆ガルド稼ぐために、希少鉱石の塊を作っていた。

「うっ!」

「どこかの平地が、いきなり山になってるかもしれません」

「なんじゃと」

 皇帝は地図を広げる。

 南西部と北西部は農村があったようだ。

「希少鉱石が採掘できるので許して……」

 精製済みの希少鉱石の塊だから……許して。

「急ぎ調査させる。民が犠牲になっていないといいが……」

 そう言いながら、皇帝はメモを取る。

 表情は、かなり険しくなった。


 さらに、ローラがトドメを刺しにいく。


「更地のことを忘れてますわぁ~」

「え? 何かあったっけ?」

「『西側の山は平地に変わる』って言ってましたわぁ~」

「え? あ? あれも?」

「場所限定せずにスキル使ってましたわぁ」

「この国って西側の山ってある?」

 地図を出してもらった。

「8000m級の山脈があるぞ……」

「すみません、たぶん、そこ更地になってます」

 やばいじゃん。

 気流が変わって気象にも影響が出そうだな。

 異常気象にならないといいけど。


 その後も、エリナに思い出してもらいながら、いろいろな「ウソ」の影響を確認していった。

 ひと通り終わった頃には、俺も皇帝もグッタリしていた。


 ……俺、いったいどれだけ「ウソ」をついたんだよ。


 突然できた山と、気象への影響だけは、今後もお互いに注意しておくことにした。


 さて、これで外遊の予定は一段落だっけ?

 あ?

 ベスティア王国に行くの忘れてた。

 予定は……。

 昨日じゃん。

 まぁ、こっちにはベスティア王国の王様もいるし大丈夫。

 ……だよな?

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 次回

『疑惑の人』

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