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ウソつき王様の引退計画(「ウソつき賢者の領地再建」続編)毎日12時更新  作者: 秋月心文


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皇帝に会いたいだけなのに

「私が宰相ウェイ・ミンシュエン(魏・明玄)である」


 え?

 皇帝への謁見をお願いしたいのに、なぜこいつ?


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 オレンジタルト(帆船型電動船)は、エイジアの船「シエーンインッ(顕応)」を曳航してニンポー(寧波)に到着した。


 商人のチョンを降ろした。


 ところが、予定外の問題が……

「外交官のロンホアは、どうした?」


 咄嗟に、海賊に殺されたとウソをついた。

 その遺体を渡したいので、皇帝に謁見させてほしいと申し出た。


 その間に俺はリヴァイアサンとの間を瞬間移動し、替え玉の遺体を運び込んだ。

 ローラが用意してくれていた棺桶に入れたのだが……。


 棺桶には「アーク・リベル」と書いてある。

 あいつなりのジョークなのだろうが、しゃれにならない。

 こっそり消しておいた。


 あいつめ。


 こうして謁見を待っていたら、会えるのは宰相までだという。


 うかつだった。

 替え玉がのうのうと政治をしている時点で、裏に「良からぬ者」がいると警戒すべきだったのだ。


 替え玉の遺体を見せたら、バレてしまうかな?

 もしくは、宰相にもコッソリ退場いただくべきか?

 でも、きっと他にも悪い人たちがいる。


 ローラ劇場に気をとられすぎて、細かいところを詰めるのを失念していた。


 さて、どうする?


 したいをみせる

 さいしょうをしまつ

▶わるだくみ

 あばれる

 しんだふり

 にげる


「エイジア皇国の宰相が、俺たちを殺そうとしたら宰相は死ぬ」

 という「ウソ」をついた。

 澄んだ音が脳内に響いた。

 成功したようだ。


 まぁ、あくまで保険だ。


 その上で……俺たちは宰相に会った。

 まわりに衛兵をズラリと連れて現れた。


 替え玉の遺体を見せた。

 死体は泥だらけの上に、粗末なボロボロの服が着せられていた。

 用意がいい。さすがローラだ。

 これなら、替え玉とわかるまい。


 服に値札さえついてなければ……だが。


 宰相の見てない隙に、こっそり剥がした。

 ツメが甘いのか、ワザとなのか。

 悪い意味でも、さすがローラだ。


「ふむ。間違いないようだ」

「それでは、さっそく皇帝に……」


 宰相はニヤリと笑い

「その前に、お前たちを始末しなくてはな」


 そう来ちゃったかぁ。

 やっぱりかぁ。


 宰相は急に苦しみだして、死亡した。


 それを見ていた衛兵たちは動揺した。


「俺は神に愛されたリベル王国の王。

 俺たちを殺そうとすると、お前たちもこうなるぞ」


 もちろん、ただのハッタリだ。


「「「「ひぃぃ……」」」」


 衛兵たちは、大急ぎで逃げ出した。

 素直に案内してもらうつもりだったのになぁ。


 仕方ない。

 勝手に謁見の間まで行きますか。


 実はローラが地図を作ってくれていた。

 どうやってかは知らん。

 扉を開ける「合言葉」まで書いてある。


 すげぇな。さすがローラだ。

 なんだか、ビミョウにデジャブな感じがした。

 まぁ、気のせいだろう。


 ここで合言葉を言うんだな。

「俺たちは、海賊だ。ここを開けろ」

 地図を見ながらなので、棒読みだ。

 こんなんで開くのかよ?


 お、開いた。


 衛兵たちが周囲を取り囲み始めた。

 ですよね~。


 悪戯が過ぎるぞ、ローラ。

 あいつ、絶対どこかでケラケラ笑ってるぞ。


 俺はエリナを抱え、ライナの手を引いて全力疾走した。


 皇帝の居場所まで、あと……

 1km!!

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 次回

『皇帝に何があった?』

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