その契約、聞いてないんだけど?
=暗殺契約書=
なんだこれ?
「まずは、こちらにサインをお願いしますわぁ~。
4枚ありますわぁ~」
「うむ、わかった」
皇帝は中身を見ないでサインする。
豪快な。
「え? 俺も?」
両国の取り決めだから、俺もサインしないといけないらしい。
そうなの?
というか、暗殺した証拠残して大丈夫なの?
暗殺契約書という部分には、薄い紙が貼ってあった。
剥がすと、属国契約になっていた。
いわゆる付箋というヤツだな?
すごくキレイにはがせるんだが?
俺もサインする。
しかし、4枚も必要なのか?
3枚目と4枚目のタイトルを見ると、貢ぎ契約書になっとる。
あぶねぇ~。
知らずにサインするとこだった。
サインを終えると、フッと世界が変わるような感覚があった。
魔法契約書的な何か?
まさかな……。
さて、本題にはいろうか。
「ところで、替え玉というのは皇帝と同じ姿なのですか?」
「そうじゃ」
見た目では区別できないと。
「エイジア皇帝の替え玉と言ったら、何人該当しますか?」
「前皇帝や前々皇帝のもおるから、20人くらいかのぅ」
危ねぇ。
最初に聞いておいて良かった。
あやうく、エイジア皇帝の替え玉を全員殺すところだった?
「ロン・タイルイ皇帝の替え玉だったら何人になりますか?」
「3人じゃのぅ」
まさか、3人全部じゃないだろうな?
「そのうち、暗殺すべきなのは、何人ですか?」
「ひとりじゃな」
ふむふむ……。
「そのひとりだけを特定できる名前みたいなものはありますか」
「ヤツの本名、アン(昂)じゃな」
「ロン・タイルイ皇帝の替え玉のアンさんと言えば、その人だけになりますか?」
「うむ」
あと、聞いておくべきことは?
「死に方に指定はありますか? 無難に心臓麻痺ですか?」
「そんなことまで指定できるのか?」
いや、そこまでは、わからんけど。
聞いてみただけだし。
何かのアニメで、そういうのがあった気がしただけだし。
「そうじゃのう。苦しませるのも不憫じゃ。
寝たら二度と起きなくなるくらいがええかのぅ」
「ロン・タイルイ皇帝の替え玉のアンさんは、
たった今、眠るように静かに死んだ」
という「ウソ」をついた。
澄んだ不思議な音が脳内に響いた。
空気が一瞬入れ替わる感覚がした。
たぶん、発動したハズだ。
ハズと言ったのは、その結果が見えていないからだ。
「これで替え玉の方は、今、亡くなったと思います」
「ここで、いきなり出て行って大丈夫なんですか?」
「ローラ、その場所に俺たちを飛ばすことは可能か?」
「替え玉っぽ人は把握しましたから、いけると思いますわぁ~」
「ならば現地に飛んで入れ替わろう。
ライナ、エリナ、
あと商人のチョンさんは、まだ、ここで待っててください」
そう言って、ローラの力で俺と皇帝は皇帝の部屋に飛んだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
目の前で、ロン・タイルイ皇帝のそっくりさんが寝ている。
「俺たちは港から、シレっと皇城に向かいますので、
俺たちを出迎える準備をお願いします」
そう言って、おれたちは、
証拠隠滅の為、死んじゃってるそっくりさんを連れて、
リヴァイアサンに戻った。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
死んでるハズだけど、一旦牢に閉じ込めておく。
「オレンジタルトへ」
瞬間移動する。
さぁ、堂々と、エイジア皇国に乗り込もうか。
クジラの口を開けて、
オレンジタルトはエイジアの帆船を曳航しつつ、港に向かった。
向かう港は、ニンポーというらしい。
ところで、打ち合わせもなしに、
皇帝、ひとり置いてきちゃったけど、大丈夫だよな。
やばいことになってないよな。
まぁ、死体は回収してるので大丈夫だと思いたいが。
--------------------------------------------
次回
『皇帝に会いたいだけなのに』
--------------------------------------------
お読みいただき、ありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけましたら、
★や【ブックマーク】で応援していただけると、
今後の創作活動の励みになります。




