海賊、再利用します
「リサイクル。リサイクルしたいと思いますわぁ~」
まぁ、その方向で傾いてるのは否定できないけど。
だけど気になることがある。
「勝手に再教育したら、聖国に目をつけられたりしないかな?」
「バレませんわぁ~。バレなければ何をしても……」
「いや、そういう悪どい話は、エリナの教育に悪いから」
と俺が制するが。
「100歳の幼女に、今さら何を……」
「あ゛?」
エリナさん、それ怖いです。
エリナの頭をナデナデしてご機嫌を取る。
ローラも話題を変えてくる。
「せっかくですから、うちでも私掠免状を交付するといいと思いますわぁ~」
「こいつらに、海賊を続けさせるの?」
「リベル王国とルシャマ聖国だけは襲わないことにしたらいいと思いますわぁ~」
そう言って、サインだけすればいい私掠免状を差し出した。
「う~ん、少し気が引けるなぁ」
「でも、その方が得られる情報も多くなると思いますわぁ~」
「まぁ、それもそうか」
サラサラとサインした。
3枚あるのね。残り2枚は控えかな?
ちょっと多くない?
なんか違うサイズの紙も混ざってた気がするんだけど。
タブレットの情報を確認していく。
「お、捕まってる人がいるな。
罪人でもなさそうだし、助けた方が良さそうだな」
エイジア皇国外交官:ツァーンシュエーン・ロンホア
(蒼玄・龍華)。
妻35人。娘56人。息子1人。
エイジア皇国商人:チョン・リーハオ
(晟・黎昊)。
妻3人。息子2人。
あれ?
補足情報が、おかしな情報を表示していた気がする。
一夫多妻制の国なのかな。
息子の数が圧倒的に少ないな。
頑張れ……息子。
「ついでに、エイジアの船も襲わないことにしてくれないか」
「わかりましたわぁ~」
「それでは、捕まってる人以外、再教育をはじめてくれ」
「承知しましたわぁ~」
こうして、海賊たちに読み書き、計算、一般知識などを授けていく。
表向きはルシャマ聖国に恭順しているフリをさせながら、実のところはリベル王国に強く従うように書き込んでいく。
・ ・ ・ 数十分後 ・ ・ ・ ・
「終わりましたわぁ~」
「早いな」
「人数が少ないので……」
「確かに、この前は、人数が万単位だったもんな」
「では、行くか。彼らから話を聞きに行こう。
ついでに、捕まってる人を解放しに」
「一応、これを渡しておきますわぁ~」
ローラが渡してきたのは、金色の拳銃だった。
「金属っぽいけど、軽くて金色なのね?」
「実はおもちゃってオチはないよね?」
「ヒヒイロカネで作っておりますわぁ~」
おもちゃってところは否定しないのか。
「ヒヒイロカネって、すごい高そうなんだが?」
俺は後日、とんでもない請求書が来ることを警戒した。
「プレゼントですわぁ~。本当に、プレゼントですわぁ~」
「マジか。ありがとう」
「使ったことないけど、大丈夫かな?」
「小口径で衝撃吸収機構もあるので、子どもでも使えますわぁ~」
そう言って、エリナにも渡す。
「小口径って威力は大丈夫なの?」
「鎧を貫通して、体内で自動破裂する仕組みですわぁ~。
もうぐちゃぐちゃですわぁ~。威力バツグンですわぁ~」
よく分からない単語もあったが、威力があるならいいか。
「私にはないの?」
ライナが聞く。
「もちろん、ありませんわぁ~」
「まぁ、こういうヤツだから……」
俺はライナをポンポン叩く。
「何だか釈然としないわ」
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次回
『ちょっと寄り道するだけのはずが』
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