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ウソつき王様の引退計画(「ウソつき賢者の領地再建」続編)毎日12時更新  作者: 秋月心文


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誰か、俺の意思を確認してくれ

「ひどい! 私のことは遊びだったのね?」


 ライナが、半分棒読みのようなセリフを吐く。

 しかも、ペロっと舌が出ている。

 どう見ても、冗談だろう。


 けれど俺は周りの女性たちにクズという目で睨まれている。

 特に、エリナに……。


「エリナは、まだお子ちゃまだからまだ関係持てないよねぇ」

 ライナが煽る。またしても棒読みだ。

 けれど、エリナは対抗意識を出してくる。

 気づけ! 冗談なんだと気づけ!


「アークは、私にベッタリだもん」

 エリナが、俺に抱きついてくる。


 一方で、男性たちは忙しそうに準備を進めている。

「招待状の作成は終わってるのか?」

「衣装の準備は?」

「会食の準備を……」

 など、大忙しだ。


「あのぅ……。しないよ。結婚」

 誰も聞いちゃいねぇ。


 こうして、俺の意思に関係なく話が進んでいく。


「式の日取りは次の日曜日で決定だな」

「他国への招待状発送終わりました」

「会食の手配完了しました」


 あのぅ?

 俺の意思は?


 いや、まずは、俺にできることをしよう。

「エリナ、これ払ってきてもらっていい?」

 ローラから渡された請求書を渡す。

「エリナは、アークの役に立ってる」

 エリナは捨て台詞を、ライナに浴びせて部屋を出る。

「いってらっしゃ~い。アークのことは私にま・か・せ・て」

 ライナは、棒読みで煽り続ける。

 俺には、ただの冗談にしか見えていない。

 だが、エリナは対抗意識を切らさない。

 何やってるんだ。こいつらは……。


 時々、女性たちの中から、謎の言葉も聞こえてくる。

「ホモヨロヲ殿下との関係はどうなってしまうのかしら」

 ホモヨロヲ殿下って、アスヴァル王国軍の艦隊司令じゃん。

 なんで、そんな名前が……。

 え?

 そういう本が出てる?

 薄いヤツ?

 殿下は攻め?

 よくわからないな。


 走り回っている男性たちを捕まえて言う。

「いや、結婚しないから。冗談だから」

「ですよねぇ。結婚しないなんて冗談ですよねぇ」

 ダメだ。全然伝わる気がしない。


 まったく、どうしてこうなった。


 まぁ、ふたりのことは嫌いじゃないけど……。


 あまりに炎上しているのが、面白かったのか、

 ローラも、時々周囲の女性たちを煽りに参上する。

「わたくしとの婚約は……。

 やはり、わたくしとのことも、遊びだったのですねぇ~」


 いや、お前女性じゃないし……


 ・ ・ ・ 日曜日 ・ ・ ・ ・


 結局、俺にどうすることもできないまま日曜日を迎えた。

 他国も来ちゃっている手前、今さら、冗談とは言えない。

 勘弁してくれ。


 参列者には……

 アスヴァル王国第一王女 スーデリア・アスヴァル

 アスヴァル王国艦隊司令 オコソトノ・ホモヨロヲ

 アスヴァル王国外交官 ウクスツヌ・フメユルウ

 ベスティア王国国王 ヴィクトリア・ベスティア え?

 ベスティア王国外交官 ローラ・タルテ 外交官?


 アスヴァルの第一王女は、例のドン引きファッションで登場だ。

 本物から剥ぎ取ったというネコ耳、ネコのしっぽ、ネコの毛皮。

 向かっている方向性がよくわからんヤツだ。

 フメユルウ外交官に、スーデリア姫を第3王妃にいかがですかと売り込まれたが「必要ありません」としか言えない。

 というか第1王女って、第3王妃とかにはしないものじゃないの?

 それでもいいから、売り込みたいってこと?


 アスヴァルのホモヨロヲ殿下は、相変わらずキラキラな人だ。

 第一王女必要なかったのではと感じる存在感だ。

 殿下が転びそうになって、俺が受け止めたが、

 そのとき、女性たちの中から

「キャ~」という黄色い悲鳴を聞いた。

 殿下は、そのくらい有名になっていた。

 え?

 俺も?

 なんで?


 ミカン(ベスティア王)は、以前、変身したことがある「お色気お姉さん」風の見た目で登場していた。

「幼女の姿だと舐められるのじゃ……」と言っていた。


 ローラは、顔が見えないベールをした状態で登場した。

 なぜ顔を隠す必要がある?

「この方がおもしろいですわぁ~」と言っていた。

 あいつの笑いのツボがどこにあるのかサッパリわからん。


 こうして、式が始まってしまったが、

 エリナが登場すると、

「あんなに小さい子に……」

「なんて鬼畜な……」

 などと、俺を責める発言が、チラホラ聞こえてきた。

 いや、そういうつもりじゃないから。

 とはいえ、ふつうは幼女は嫁にしない。

 やっと、ファリス・ロドス時代につけられた「変な二つ名」がなくなったと思っていたんだけど……。


 エリナも以前、日本からの転生者だと言っていたから、

 中身の精神年齢は、それなりなんだろうけど……


 なんて考えていたら、ジロリと睨まれた。

 女性にはこっちの考えていることを読めるスキルがあるらしい。

 特に年齢のことは考えちゃいけないようだ。

 前にローラにも、それで殺されかけた……


「今夜は3人でするのかぁ……」

 ライナが不吉なワードを棒読みでつぶやいては、

 ペロリと舌を出す。

 やめて~!

 案の定、式に来ていた人たちからは、

「鬼畜」「幼女虐待」などというささやきが聞かれた。

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 次回

『逃げた先にも仕事がある』

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