6、融解
フォルトゥーナは、夢の中にいた、不思議な夢だ、ズルタンが王冠をかぶって石の上に一人で、寂しそうに座っているのだった。
「兄さんは、人が死ぬところを見るのが楽しいんだろ。」
ズルタンが尋ねた。
「違う!」
「いやそうだね、じゃあなんであの日、公開処刑を見に行ったのさ。」
「それは、、、。」
「好奇心、そうだろ?兄さん。」
「そうとも、言えるかもしれない、、でも俺は人が死ぬのは嫌だ、、人が苦しんでいるところが嫌なんだ、、絵空事かもしれない、、理想主義かもしれない、みんな幸せに暮らしてほしいんだ、、そんな俺が、、俺が、、。」
「それ、すべて兄さんだよ、、公開処刑に好奇心を覚えるのもそうだし、、、人に幸せになってほしいのもすべてひっくるめて兄さんなんだよ、、だから兄さんに罪なんてないんだ、、人間だから仕方ないじゃないか、、。」
「でも俺は、俺は、、俺は、、、。」
「言いたいこともわかるし、苦しいのもわかるよ。僕は兄さんが、心の底から好きだよ、、でズグリは嫌い、ラシケスは、いけ好かない、犬は嫌い、森は好き、全部自分さ。」
「でも、、」
「人間は、完璧にはなれないよ兄さん、、僕は自分に正直なだけさ。僕は自分の暗い自分自身という人間を全て、受け止めて進む。」
「ズルタン。お前はなんで王冠を?」
目が覚めた。涙は、止まっていた。外はもう真っ暗になっていた。フォルトゥーナは、ズルタンの寝室に飛び込んだ、そして弟を抱きしめた。
「ごめん、、ごめん、、、お前正直な、だけだったんだな、、お兄ちゃんを許してくれ。」
フォルトゥーナは、泣いた。打って変わってズルタンは、ぽけりんとしている。
「何言ってるの兄さん、許すも許さないも僕は、兄さんを嫌いになることなんて絶対ないよ。急に飛び込んできてどうしたのさ。」
「いや何でもない。お休みズルタン。」
「お休み、兄さん。」
フォルトゥーナは、その晩不思議と、ぐっすり眠れたのだった。




