18、あいつは
「それはそうとガモ爺今日は妙な奴にあったよ」
「妙な奴と申されますと、、」
「それがかなり不用心な奴でさ俺にぶつかって来たんだ、、最初は酔っ払いか何かかと思ったよでも声を聞く限り若い奴だしたぶんあれは年下だな、その時妙なイメージが頭の中に浮かんだんだよ、俺が小さいときにガモ爺が読んでくれたクジラって言う海にいる生物、、、たぶんあれだと思うんだけど、、、まあそれとあと花そして時計もイメージとして浮かんだな、、、それらはみな全て透き通るような美しさがあるんだけども同時に不思議にねじれてもいるそんなイメージさ、、、あんな不思議なイメージが浮かんだのは初めてだな、、、」
ルロは近くにいる人間をイメージとして頭の中に浮かび上がらせることができる、そのイメージは現実の人間の心の特徴をほぼ正確にとらえてることができる。彼の前では誰も心に嘘は付けないである。
「それは面白い!ちなみに今私はどう見えておるのですかな」
「ガモ爺は岩と水だね!とってもまっすぐな岩の上から奇麗な透き通った水が垂れている、、ガモ爺の心は美しいんだね!」
「私の心はそのように美しいものではございいませんぞルロ様、、私といえども決して油断なさらぬようお気を付けください」
「ガモ爺謙遜も行き過ぎると嫌味になるぞ、、、俺はあなたの心が美しいことは昔から知っている」
「勿体なきお言葉」
二人の間に朗らかな沈黙が20秒ほど続いた。
「それで少し話は変わるけれど、、、間者からの報告を聞いたところやはりこの国で一番真っ先に殺すべきはやはりマキア・シュポスだな」
ルロはまるでピクニックに行くような落ち着き払った調子で呟いた。
「私もそう思います、、、奴のおかげで南のダーヤ国は国境線の防備を固めてしまいました、、、ルオーニス王国周辺の6つの小国、西のマーレン国との密な連絡、、奴の外交手腕は大したものです、、なんでももともと貧民街にいたところを先々代の王アラーニ・ルオーニスに拾われたので忠義に厚いとのことです」
「そうなると利で釣るのは無理か、、、となると暗殺か、、、」
「奴にはもう5人刺客を送り込みましたが全て失敗しました、なんでも奴は剣の達人でもあるとか」
「はっはっ完璧超人だな奴の弱点は何かないかな」
「今のところルオーニスの貴族はほとんどは我らの手中にあるということぐらいしかありませんな、奴は北の戦線でも活躍しており用兵も抜群にうまいです、、特に奴の防御戦術は我ら北の兵でも抜くのに一苦労する代物です」
「よしわかった奴への監視を増やそう、、国内いる間者5人を新たに奴の監視につけ爪の動きまで調べさせろ!」
「はっ!(このお方は才が鋭すぎるところがある、、、自らの才に溺れることにならなければよいが、、、」
この二人はマキアがズルタンを手に入れたという情報をまだ知らない、それはマキアの情報操作が完璧なことを示していた。
一方マキアもルロがまさか国内にいるとは夢にも思わない。
「ねえマキア、、、僕はこれから王になる、、、、んだよね、、、」
生まれたての小鹿のような臆病さでズルタンはマキアに尋ねた。
「そうです」
「その礼儀作法とかさ、、、まったく知らないんだけど大丈夫だよね、、、」
「全く問題ありませんそもそも使う機会がないんですからね、大切なのは形式だけであってあなたが玉座にいる、私はその事実が欲しいだけです、まあ難しいことは私が全てやりますからあなたは絵でも詩でも作って料理を食って部屋で寝ておけばそれで大丈夫です」
「本当に、、、大丈夫なの、、」
「本当です、、、実際に2歳や3歳で即位した礼なんてごまんとあります」
ズルタンは胸をなでおろした。
「まあそれはそうとしてさっきかつけられています」
「えっ!」
「ほら左後ろの人ごみにいますよ絶対見ないでくださいね、、、ちょいと行ってきます」
「いくってどこに」
ズルタンが言い終わないうちにマキアは雷光のような速さで駆けだしていた。次の瞬間後ろで悲鳴が聞こえた。
マキアは30秒と経たないうちに戻ってきた。
「お待たせしました」
マキアの服の袖には返り血と思われるものが少し付着していた。
「何をやってきたの、、、」
「ああ多分北のフェニックス国の間者ですよ、、、最近露骨でね、、さっ行きましょう」
マキアの顔は相変わらずの無表情だった。そのことがズルタンには異様に感じられた。
「マキアは人気者なんだね、、、」
「ロス様、、、、あんたは皮肉の才能だけはありそうですな(しかし馬車はこいつを迎えに行く途中で乗り換えたのにいったい誰が言いやがったんだ、、、可能性としてありそうなのは衛兵の奴か、、全く処分しなくちゃいけないやつが多くて参るな、、、俺は殺しは苦手なほうなんだがな)」




