33 どじょう鍋
昇段審査の振替休日、俺と牧野は、浅草で一緒にどじょう鍋をつついている。
北海道の警護の件だ。
道内でも函館は暖かく札幌は寒い、もちろん網走などはもっと寒い。コレは同じだ。
肝心の六花祭りの内容なのだが、展示物の半分は生花を凍らしたオブジェを作るのと、後半分は札幌雪まつりみたいな氷のオブジェを作るらしい。
札幌雪まつりをイメージしていたがちょっと違うっぽい。
こっちの俺はこの知識を持って無かったのか?俺の意識の方が強いのでどうしても向こうの知識が希薄になるのか?イマイチわからないところだ。
「そもそも何故その時期なんだ?正月休みじゃないか?」
「は?北海道のお正月と言えば六花祭りじゃないですか?」
「牧野全くわからないぞ?」
「は?えーとだいたい20日ぐらいで「北の風」が吹くんですけど・・・?」
「知らないですか?・・・「北の風」っと言う寒気が一瞬降りてくると、そのあとの漁は3日ぐらいもの凄い大漁になるんですよ。
「やっぱ初耳情報だなぁ」
「1日と2日まで家の中でゆっくりして、そこからお祭りです。食べる物の少ない冬に大漁をもたらしてくれる「北の風」と言う神風に感謝するお祭りです」
(フォールターンオーバーするのか?魚がとれなくなるのならわかるが・・・どういう仕組みだ?)
「ところで牧野、この任務かなり危なくないか?」
「・・・正直ちょっと嫌な予感はします」
「だよなぁ、普通なら免許の侍だよな。天位2人って過剰戦力だよなぁ」
「いつもの女性が居ないから、女性のサポートが付かないとかもおかしいです」
「我々に武器も支給とかもおかしいよな」
「それに「吹返」が複数出たら終わりだな。
「北海道で頻繁に出ていると言っても、1体づつの出現しか確認されてませんが?」
「場所で見るなよ、時間で見るとなぁ・・・」
「あっ確かに・・・1体が出た後の道内全体の出現を見ると、30分以内で3体出現してる事もありますね。場所はめちゃ離れてますけど」
「そうなんだよ、それでだ牧野。俺の刀持って行こうと思っている」「はい?あぁ我々の備品に入れて送りますか?」
「いざとなった俺達も戦う、覚悟は良いか?」
「もちろんです!杏さんだけ危険な任務に晒す訳には行きません!」
(もう、お前ら付き合っちゃえよ・・・)
「ありがとう、それでだなぁ・・・」
「はい?」
「お前に刀を1本渡して刀法の知識を叩き込む、試斬稽古も取り入れる」
「わかりました、了解です」
牧野は厳し顔で頷いた。




