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18話 テントの内側

「さて、皆さんテントの外に出たようなので、尋問を始めましょうか」


 そう沙織が言った次の瞬間、沙織の雰囲気がガラリと変わった。


「あなた方は、何処の国の者ですか?」

「答えるつもりはない!」


 今の沙織の様子を表すのであれば、漫画でいうところの目のハイライトが消えている感じだ。そして彼らに対して、地の底から響くような声で質問をする。

 しかし彼らは、そんな彼女ことを気にすることなくそのような返答をする。


「イ"ッ!!」


 すると、そう返答した人物の肩関節に針状に改造されたスティレットが一本刺さった。


「お前、こんなことしてタダで済むと思ってるのか!?」

「私に質問されたことのみに答えなさい」

「………」


 沙織が一言そういうと、そいつは黙り込んだ。


「仕方ない。では、自分から話したくなるようにしてやろう」

『く、来るなぁぁぁ!!」


 それから1時間ほど、沙織による尋問と拷問が繰り返された。

 1時間が経過すると、4人の身体には、針状のスティレットが両肩関節、腕、両足などが刺され、鼻と口から出血をしていた。

 また、放心状態にもなっており、意識を保てているのかすら怪しい状態である。

 

「さて、知りたい情報も知ることができましたし、そろそろこの4人を解放するとしましょうか。けどその前に、この4人を元に戻す必要がありそうですね」


 さっきまでの彼女とは一転、いつもの彼女の雰囲気へと戻って、ひとりそう独り言を呟いた。

 また、これは完全なる余談であるが、彼女は地球にいた頃から尋問を担当していた者には一切の容赦がなく、伊集院家に敵対意識を持ったら彼女の拷問の犠牲となる。だが、彼らがやられた拷問は彼女にしては優しい方である。なんせ、地球の場合は、今持っている拷問器具よりも遥かに強力且つ残忍性な拷問器具があるため、スティレットで刺されたり骨折程度で済み、生きていること自体が奇跡なのである。それ程までに彼女の尋問(拷問)は危険なのだ。その結果、付いた二つ名は『残虐王』である。


『光属性第四階梯魔法コンシャスネスリペア』


 沙織が魔法を発動させたことによって、意識がなく、放心状態だった4人が、はっきりと意識を取り戻すが、体の状態はそのままのため、かなりの痛みが彼らの脳に伝わった。


『ガァッ!!』


 必死に痛みを堪えるも、声が漏れてしまう。どれだけ拷問に対する訓練を受けていたとしても、沙織の手に掛かれば、その訓練も無意味になるほどであり、最終的には廃人になってしまうが、この4人は他国の諜報員であったため、その辺を考慮して、廃人になりかけはしたが、最終的には元に戻した。


『闇属性第二階梯魔法スリープ』


 廃人から元に戻した直後に“スリープ”で、4人を眠らせた。


(さて、拷問の痕跡を消さなければなりませんね。この4人の監視はさっきから覗いている彼女たちに任せましょうか)


「そこで覗いている御三方。もう入って来ても良いですよ」


 すると、テントの外側からこっそりと覗いていた3人が恐る恐るテントの中へと入る。そりゃあそうだろう。なんせさっきまで冷酷無比、残虐非道という言葉が似合うような拷問をしており、尚且つ殺気をまるでコートを身に纏うかの様にしていたのだ。そりゃあこうなるのも納得だろう。


「き、気付いていたのですね」

「ええ、途中からでしたけどね」


 イーディスのそんな言葉に沙織は、そう返答した。


「ところで、あなた方はなんで私の尋問(拷問)の様子を覗いていたのですか?」

「アレを尋問と言うあなたが怖いですよ。それよりもどうして覗いていたかでしたよね。それはですね、えーと、単純に沙織様がどのような尋問を行うのか気になってしまい、つい覗いてしまいました。覗いてしまった件に関しては謝罪します。ですが、流石にあの拷問はやり過ぎです」


 イーディスが沙織に覗いていた件に関して聞かれ、そう謝罪をしながらもそう言った。


「拷問だなんて人聞きが悪いですよ。私はただ尋問を行っていただけです。まぁ、情報を聞き出す過程で、少々痛めつけはしましたけど」


(絶対に少々じゃない!!)


 その場にいた3人が、心の中でそうツッコミを入れた。


「ニコラさん。何か言いたげですね」

「そ、そんなことはないわよ……」


 ニコラに対して、沙織がそう言う。沙織のその言い方は、いつも通りの優しい感じがあり、顔は少しだけ笑顔だが、目が明らかに笑っておらず、それどころか、変なことを言ったら殺されるのではないかと思わせるような目だった。そんな沙織を見て萎縮してしまい、そのような返答しかできなかった。


「そうですか。なら良かったです」


 どうやらあの返答が正解だったようで、さっきまで見せていた恐ろしい目ではなく、いつもの優しい目に戻った。


「皆さん。申し訳ありませんが、私はここら辺の後始末をしますので、その4人の監視をお願いします」

「承知しました」

「わかりました」

「わかったわ」


 その後、沙織は4人の周りに飛び散ったのとさ自分の服に付いた返り血を落としたりし、ルミノール反応が出ない程に綺麗に消した。

 こうして、深夜に密かに行われた尋問(拷問)は、幕を閉じたのだった。

『良かった』『続きが気になる』などと思っていただけたなら、評価やブックマークをしてくださると、とても嬉しいです。投稿日時は特に決めていませんが、どうぞこれからもよろしくお願いします。

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