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11話 部隊編成と訓練について

 一週間が経過し、訓練前日となり、瑛二たちはレヴォネが無期限で貸し出した訓練場へと集まっていた。ちなみに、クラスメイト以外は、既に各大隊別に整列状態で整列していた。

 何故、クラスメイトがそこに整列していないのかというと、この日に雫と瑛二がそれぞれの大隊長と副大隊長をクラスメイト(異世界人)の中から選ばなくてはならないため、このように、訓練の前日になってから、レヴォネに直接自身の配属大体がわかる流れとなっている。ちなみにこの世界にも軍階級が存在しており、配属と同時に階級が与えられることになっている。

 クラスメイトが他の隊員の横(一番右端に一列に整列)にいる中、雫と瑛二は、レヴォネと共に連隊の正面に立っていた。

 そして、レヴォネが中央に設置された台に上がり、祝辞を述べる。


「この度、新たに設立されたこの特殊派遣連隊。通称『特連隊』が正式に運用することができることを、私は嬉しく思います。さて、皆さんもお気付きだとは思いますが、ここで、この特殊派遣連隊の連隊長と副連隊を紹介します。まず、連隊長を務めるのは、伊集院雫大佐。そして副連隊を務めるのは、久遠瑛二大佐です。では、続いては、その連隊の大隊の大隊長と副大隊長をこちらで勝手ながら選ばせていただきました。では、言っていきますので、呼ばれた方は、その大隊の前へと言ってください。では、第一大隊大隊長──」


 そうして、各大隊の大隊長と副大隊長が呼ばれていき、最終的には、このようになった。


《特殊派遣連隊》

連隊長:伊集院雫 階級:大佐

副連隊長:久遠瑛二 階級:大佐

連隊人数:3200人

《特殊派遣連隊第一大隊》

大隊長:沢田橙子 階級:中佐

副大隊長:西園寺誠(さいおんじまこと) 階級:少佐

副大隊長:西川秀幸(にしかわひでゆき) 階級:少佐

大隊人数:400人

《特殊派遣連隊第二大隊》

大隊長:工藤一 階級:中佐

副大隊長:秋山和葉 階級:少佐

副大隊長:小森真司(こもりしんじ) 階級:少佐

大隊人数:300人

《特殊派遣連隊第三大隊》

大隊長:黒羽匠海 階級:中佐

副大隊長:京極真澄(きょうごくますみ) 階級:少佐

副大隊長:斉藤裕樹(さいとうゆうき) 階級:少佐

大隊人数:300人

《特殊派遣連隊第四大隊》

大隊長:中川岳志(なかがわたけし) 階級:中佐

副大隊長:鈴木麻衣(すずきまい) 階級:少佐

副大隊長:夏目慎一(なつめしんいち) 階級:少佐

大隊人数:300人

《特殊派遣連隊第五大隊》

大隊長:金子真弓(かねこまゆみ) 階級:中佐

副大隊長:高野礼(こうのあや) 階級:少佐

副大隊長:田辺賢一(たなべけんいち) 階級:少佐

大隊人数:300人

《特殊派遣連隊第六大隊》

大隊長:桃井啓介(ももいけいすけ) 階級:中佐

副大隊長:越智神奈子(おちかなこ) 階級:少佐

副大隊長:桑原由香里(くわはらゆかり) 階級:少佐

大隊人数:300人

《特殊派遣連隊第七大隊》

大隊長:石原沙織(いしはらさおり) 階級:中佐

副大隊長:戸田榛名(とだはるな) 階級:少佐

副大隊長:佐々木達也(ささきたつや) 階級:少佐

大隊人数:300人


 といった感じに部隊の責任者が決められた。

 それぞれ決まった大隊の前へと並び、連隊長である雫から一言述べる。


「この特殊派遣連隊連隊長を務める、伊集院雫です。君たちは、騎士団・宮廷魔術師団の中から選び抜かれた選ばれし者たちです。どうかそのことを誇り思って下さい。この中には当然、私たち異世界人が上官となることに納得していない者もいるはずです。それは当然のことだと思います。ですが、もしも上官の命令を無視し、勝手な行動をとった場合には、それ相応の処罰が下ることになります。ただし、その大隊の上官の命令に問題があったりした場合にはその限りではありませんが、その責任は、その行動をとった隊員本人がとることになることをお忘れなきようよろしくお願いします。続いて、訓練日程についてですが、訓練は、毎朝9時から始めていきます。つきましては、副大隊長以上の方々は、この後このまま、残るようにお願いします。以上、解散!」


 その日は、副大隊長以下の人は、それで解散となった。


「では皆さん。明日からの訓練等についての会議を行いたいと思いますので、会議室へ移動しましょう」


 事前に瑛二が押さえていた会議室へとみんなで向かった。

 会議室は、部屋の中央に円卓のテーブルがあり、人数分の椅子も用意されていた。それぞれが自分の名前の書かれたプレートが置かれた席へと座る。


「それでは第一回、特殊派遣連隊円卓会議を開催致します」


 会議の進行は、瑛二が担当している。


「ではまず、お手元にある資料をご覧下さい。現在、ご覧になられている資料は、今後の訓練内容に関する計画書などをまとめた物になっております」

「あの、少し質問をよろしいですか?」


 麻衣が手を挙げる。


「いかがなされましたか?麻衣様」

「この資料では、訓練に参加する人数が3000人以上となっていますが、これだけの人数が訓練をすることができる場所がこの城にあるのですか?」

「確かにこの国は、軍事強化をしており、軍属の方の人数がかなり多いです。ですが、その分だけの広さと数の訓練場が用意されておりますので、麻衣様の心配なさることはないと思われます」

「そうですか。わかりました」


 それからも会議は行われて、会議が終了したのは、日が沈み始めた頃だった。


「では、本日の円卓会議は、これにて終了と致します。お疲れ様でした」


 会議室から続々と出て行く。そして会議室には、瑛二と雫の2人きりとなった。


「ねぇ、瑛二」

「なんでしょうか?」

「みんな訓練とかに意外と乗り気だったけれども、大丈夫かしら?他の隊員たちと比べてみんな素人だし、それに軍人レベルの訓練について行ける人は、限られると思うのだけど……」

「まぁ、皆様やる気があるようでしたが、早い(かた)でしたら、一週間ぐらいが限界ではないでしょうか?元々後方支援向きの職業(ジョブ)やスキルなどを持つ方もいらっしゃいましたので、あの訓練内容に耐えられるかどうかは、私にはわかりません」

「やっぱりそうよね……」

 

 そう言って雫は、小さなため息を吐く。


「明日からの訓練で、心の折れる人が出なければいいのだけども」

「そうなる前に、私かお嬢様がその方に対して、その方にあった訓練をさせるというのを先程の会議で決めていたではありませんか」

「それはそうなんだけれどもね。私にそれができるのかが不安なのよ……」

「でしたら、私がやりますのでどうぞご安心ください」

「瑛二ばっかりに任せきりにしたくはないけれども、私が無理そうなときにはお願いね」

「畏まりました、お嬢様」


 そうした話をし終えた後、会議室に誰もいないことを確認した後、退室してドアの鍵を閉める。そのままレヴォネに会議室の鍵を返しに向かう。

 だが、瑛二と雫が会議室の鍵を返しに向かうと……。


「その会議室の鍵、雫さんたちで預かっててもらえませんか?」

「よろしいのですか?」

「はい。こちら側よりも会議室を使う頻度は、そちらの方が高いと思いますし」

「それでも普通は、盗難防止や他の使用者のために決められた場所に置くべきだと私は思います」

「盗難防止に関しては、瑛二さんならばどうとでもなるのでは?」

「私のエクストラスキル“ストレージ”の中にいれれば、それ以上に安全な場所は、そう多くはないでしょうが、先程もお伝え致しました通り、これは、管理場所の問題ですので、もしも他の方が使用するとなれば、本来あるべき場所に鍵がなければ、その方は困ってしまいます」

「そうですね、わかりました。では、鍵はこちらで保管しますね」

「是非ともそうしてくださいませ。では、私はこれにて、失礼致します」


 瑛二が執務室から退室しようとすると、レヴォネが「ちょっと待ってください」と言うので、瑛二は、歩みを止め、レヴォネの方を振り返る。


「いかがなさいましたか?」

「皆さんの様子を伺いたいと思いまして」

「様子と言われましても、まだ挨拶だけですので、まだなんとも……ですが、今のところは不満の声などは出ておりませんので、どうぞご安心ください」

「確かにその通りですね。ですが、これから不満を持つ方が現れないとも限りませんので、そこら辺は、注意してください」

「承知しております。では、私はこれで失礼致します」


 瑛二は、執務室を退室し、自室へと戻った。


「ただいま戻りました」

「お帰り瑛二。それで、レヴォネ王女とはどんな話をしてたの?」

「連隊の中で、不満の声がないか?というものです」

「本当にそれだけ?」

「まぁ、それだけです」

「そう?ならいいわ」

「お嬢様、そろそろお夕食のお時間ですので、食堂へ行きましょう」

「そうね」


 2人は食堂へと向かい、食堂で食事を済ませて部屋へと戻る。


「それじゃあ、先にお風呂に入っているから」

「畏まりました。いつも通りお着替えは、(かご)の中に入れておきます」

「お願いね」


 雫が浴室に入ったのを確認した後、雫の着替えを籠の中に入れて脱衣所を出る。

 こっちの世界に来るまでは、屋敷のメイドの仕事だったのだが、こっちの世界に来てからは、使用人が瑛二しかいないため、このような形となっている。

 瑛二が脱衣所に用意した寝衣に雫が着替えて、脱衣所を出る。そして、髪を瑛二の魔法で乾かした後、(くし)で髪をとかしながら、明日からの訓練について話す。


「お嬢様、明日からの訓練でお願いしたいことがございます」

「瑛二からなんて珍しいわね。それで、そのお願いって何?」

「実は、連隊各員に対して、これまでの武器と現代武装を取り入れたいと考えております」

「現代兵装ってまさか……!?」

「私が主導下で開発した、防弾防刃ベスト。そして、HOWA5.56自動小銃、H&K VP9(SFP9)、狙撃隊員には、H&K PSG1軍用狙撃銃を、現在配備したいと考えております」


 雫は、瑛二の言っていることに驚きを隠せなかった。なんせ、異世界に銃を本格的に持ち出そうとしているのだから。今までなら銃は、瑛二1人しか持っていなかったから、心配はいらなかったが、もしも連隊各員に配備されてしまったら、連隊隊員が裏切り行為をした場合の死者が多くなるのは、容易に想像がつく。


「お嬢様はもしかしてですが、連隊隊員が裏切った時のことをご想像なされておりますか?」

「当たり前じゃない!だって銃を配備なんてしたら、連隊隊員が反逆行為をした場合、銃による脅威は、かなり大きいものになるはずよ」

「それに関しましては、おそらく大丈夫でしょう。なんせ彼らは、この王国騎士団や宮廷魔術師団などの中から忠誠心が高く、野心が低いく、何かを守るといった強い意思を持ち、そして尚且つ実力も高い方々が集まっております。なので、心配なされていることが起こる確率は低いと推察されます」

「それでも……」

「でしたら、自衛隊や警察などの法執行機関の方々はどう言いますか?」

「なんでそこで自衛隊が出てくるの?」

「自衛隊や警察などの法執行機関もまた、先程述べた銃器以外の銃器を多数存在しております。ですが、銃器に関する事故などはあったとしても、事件は、ほとんどありません。お嬢様が言っておられるのは、そういった組織の方々に銃を持つな!と言っているのと同じことだと、少なくとも私は思います」


 髪をとき終わり、途中から椅子に腰を掛けながら話していたが、その椅子から雫が勢いよく立ち上がり、机をドン!と両手で叩く。


「私は、そういうことを言ってるんじゃないの!この世界には、銃という武器は、ハイテク武器なのよ!それがこの世界にどんな影響を及ぼすかわからないあなたではないでしょ!?」

「確かにこの世界の技術的な面で考えれば、銃器は、ハイテク武器になりますし、この世界への影響は、決して小さくはないでしょう。ですが、私が銃器などを配備しようと思ったのは、決して軽い気持ちではありません」

「だったら、なんだというの?」


 雫は、瑛二に聞き返す。


「私の職業(ジョブ)を覚えていらっしゃいますか?」

「確か、使徒だったわよね?」

「はい。この使徒という職業(ジョブ)は、神の声を聞いたりことが可能でしたり、逆にこちら側から神に尋ねることも可能です」

「もしかして」

「はい、お嬢様のご想像通りです。その結果、問題ないとの神託が下りましたので、このような提案を具申致しました」

「……わかったわ。瑛二がそこまで言うのであれば許可するわ。ただし、何かあった場合には、瑛二がすべて責任を取ること。いいわね?」

「もちろんでございます」 


 瑛二は、席を立ちそう答える。そして雫は、ベッドへと入り、寝る準備をする。


「私はそろそろ寝るわね」

「では、消灯します。お休みなさいませ、お嬢様」


 部屋の明かりを消す。瑛二は、夜目がかなり効くので、月明かりが少しあれば、普通に明かりをつけているのと同じぐらい見える。

 瑛二も自分のベッドへと入り、眠りにつく。

 翌日、瑛二はいつもよりも早く起床する。その理由は、昨日話した銃の製造と量産のためだ。本来ならば、数ヶ月かかる工程を瑛二の固有能力(ユニークスキル)“創造”を使えば、一瞬で製造することが可能だ。まぁ、この“創造”は、その使用者本人がどれだけその作るものの内容を知っているかによって性能が本来のものよりも劣るものが完成するか逆に性能が良くなるかは、その使用者次第である。瑛二は、武器に関しての知識もあり、改良をしたりするため、その武器と同等かそれ以上の性能の物が完成することは、間違いないだろう。

 “創造”を使って作られた銃などを種類別に分けた後にガンケースの中に入れ、そのケースの上にどれがどの武器を入れたガンケースなのかがわかるようシールを貼り、“ストレージ”の中へ収納した。

 武器作りに集中していて、雫の起こす時間がもうそろそろとなり、急いで着替えて、雫を起こす。


「お嬢様、朝です。起きてください」

「ん〜、あと20分……」

「いつもよりも長いですね!?今日は訓練説明日でもあるのですから、連隊長であるお嬢様が遅刻していたら、部下に示しがつきません」


 だが、起きる気配は、一切なかった。


「仕方ありませんね。起きないというのならば、私が目を覚ましましょう」


 いつもよりも長い場合は、雫は起こすことは大変困難である。なので、元の世界にいた頃は、少し強めの静電気を発生させる装置を使って、雫を起こしていたが、この世界には、その装置がないので、手軽な魔法で代用する。


「【スタティックショック】」

「イタッ!!?」


 雫に【スタティックショック】という、簡単に言えば静電気レベルの攻撃力でイタズラでしか効果がなさそうな威力の魔法を与えると、一瞬で目が覚めたようで、ベッドから飛び上がった。


「おはようございます。お嬢様」

「もう少し優しく起こしてくれない?」

「では、お嬢様は優しく起こされて、起きた経験はございますか?」


 瑛二が雫にそう質問を投げかけると、雫はあからさまに目を逸らした。


「そういうことです。ご理解いただけたようでしたら、急いで着替えて朝食を済ませてくださいませ」

「わかったわよ……」


 着替え終わり、急いで食堂へ行き、食事を済ませた後、訓練場へと向かった。

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