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エピソード31

「ありがとう···

ここからは、父の心の内で終わり

母君には最後まで伝わっていない話になる···

父は、妹の幸せを願い叶えたかった。

しかし、ガイル帝国に利がなければ

到底祖父に、許されない結婚であったため

公爵に無茶な要求を押し通したそうだ···

···窓の外を見てみて?」


窓にかかるカーテンを開き外を見れば

まだ明けきらない弱々しい陽の光に照らされた

森の中を、整然とした幅広い道が続いていた。


「その際に得た利の多くは

このジェラート公爵領からガイル帝国まで続く

道のりの整備や、国境の強化に充てられた。

協定の中には、公爵領側にも帝国主導で

貿易路に手を加えるという項目が入っていたそうだ。

不平等な協定ではあったが···

公爵家に少しでも多くの利をもたらす為

アース国では公爵領にのみ帝国との貿易権を与え

それが捗るよう、道を整備したんだ。

そして、祖父の思惑により

万が一、アース国との争いが起きた場合

少しでも時間を稼ぎ、母君を逃がす為

公爵領側が優位になるよう国境を強化した。」


「···な、何故···皇帝陛下は···心の内を

母に伝えて···くれなかったのですか···?

母は知らぬまま···」


ハーツは、クロエが祖国のことを聞いた時の

母のような辛く悲しい表情をしていた···


「父が言うには···

伝えればきっと許されただろうと···

しかし、再び縁が繋がれば

穢れを知らぬ妹が、祖父に利用され

公爵家ごと喰われるのが目に見えていたと···

たぶん···クロエ嬢を送り出した

公爵やアイルと同じ気持ちだったんじゃないかな···?」


『そうだ···ハーツ様が一緒でなければ恐らく···

いえ、絶対にお父様とアイルの真意を

私が知り得るはずがなかったんだ···

ハーツ様のおかげで、2人の真意の欠片を知り

悲しみの中にも愛情を感じる事ができたけど

そうでなければ···私はきっと嘆き悲しみ

この世の全てを恨み···呪っていただろう···

それでも···2人は同じような手段選んだはず···

私をアース国から逃がすために···』


「よく理解できました···

母を思っての事柄であったと···」


「···ありがとう。

ところで···クロエ嬢、先程のタオルは??

また顔がクズグズになってる···ふふっ

クロエ嬢が泣いちゃいそうな話は

馬車の中ではもうしない···かな??

安心して心と顔を整えて?ふ···ふははははっ!」


もう怒る気も失せたクロエは

虚無感を顔面に貼り付け、心を静めた。


それからすぐ馬車は止まり

窓からは、立派すぎる国境門が見えていた。


『ここが···お母様を守るために強化された···』


「レディ、どうぞ?」


ハーツにエスコートされて外に出れば

マーサが慌ててクロエに駆け寄る。


「クロエ様···お顔が···」


「ごめんねマーサ···また涙が出てしまって···」


マーサは新しいタオルを水筒の水で濡らし

グズグズになったタオルと交換してくれた。


「私はクロエ様の涙に慣れておりますが

これから···少しおそばにおれません。

私がいない間、泣かずにすむよう

笑って···幸せにお過ごしくださいませ。

マーサからのお願いです。」


『マーサ···』


「うん、わかったわ!

泣かないように···笑って待ってる···」


そう返事をしながらも

クロエの目には、すでに新たな涙が溢れていた。


「大丈夫だよ?

私が毎日笑わせてあげるから。ね?」


『···笑ってあげるの間違いでは···?』


「あとね、多分だけど

3ヶ月ももたないと思う···多分ね?」


『???』


「さて!クロエ嬢には大切な話があるんだ!」


はぐらかされてしまった気もしたが

時が来なければ教えてもらえない

そんな気がして、クロエは深く追求しなかった。

アース国はとっても小さい国です。

淡路島くらいかな?と適当に思ってます!

王都→公爵領→ガイル帝国

って感じで移動してます!


マーサとルイズの馬車では

気を使ったルイズが喋りかけるが

全く会話が弾まず

その後は無言地獄のはずです!


※タイトルの話数を変更しました!

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