アイル・ジェラートside05
「ねぇ、君···アイルだったかな?
あちらで少し話してもいいかい?」
《ナットーゴハン》との闘いが
まだまだ続きそうなクロエとは違い
幼いとはいえ2人は健康な男の子。
とっくに食べ終え、暇を持て余していた。
「···はい」
ロベルトは、クロエから距離のある
窓のそばにアイルを誘導して
不機嫌さをあらわに、声を落として話し始めた。
「単刀直入に聞くね?
君はクロエをどう思っている?好きなの?」
「·········好きです」
『なんで初めてあった子に
そんなこと聞かれなきゃいけないんだ···』
「ふぅん···
ね?僕がクロエに出会ってから
2ヶ月ぐらい経つけど、君は何をしてたの?
君は4日前にここに来たんだよね?
公爵夫人が亡くなってから今の今まで
クロエを放置してたんだよね?」
「······知らなくて」
『お前に何がわかるっていうんだっ!』
「知らなくて?
あぁ、公爵夫人が亡くなったこと?
知っていても、知らなくても同じこと。
クロエと3ヶ月以上かな?
会わずにいても平気なんでしょ?」
「違っ
「私はっ!クロエとそんな長い間
会わないなんてたえられない!
私ならクロエを泣かせたままにしなかった!」
『············』
「······クロエと2ヶ月しか過ごしていない
異変が起きてからのクロエしか知らない
そんなお前に何がわかる?!
僕とクロエの過ごしてきた日々の
いったい何がお前にわかると言うんだっ!?」
6歳になったばかりの子供に対して
理不尽過ぎる怒りを一方的にぶつけたのだから
アイルが怒るのも無理ないが
先程までのオドオドした態度からの豹変に
張本人のロベルトは、驚きのあまり
嫉妬からくる苛立ちも忘れてしまった。
「君······ちゃんと喋れるんだね。
···すまない。6歳の君に対して
言い過ぎているのはわかっていたが
自分の怒りを抑えることができなかったんだ···
ただ会うだけで涙を止めることができる君が···
クロエのことが、好きだと言うのに
今まで放置していたことが許せなくて···
それに、意思表示もできない人間が
クロエのそばにいることも我慢ならなかった。」
「···今まで子供だから我慢してきた
でも···それは間違いだった···
子供とか大人とかであきらめてたら
大切な人を守ることができないって気づいたから
だから!これからはクロエのそばにいるって
僕は抗うって決めたんだっ!」
『へぇ···6歳でこれか···』
同年齢との出会いがなく寂しいと
クロエには言ったが、全くの嘘だ。
本当は、王家と親しくなりたい者たちにより
婚約者候補やら、ご学友候補やらが
頻繁に送り込まれてくる。
クロエ以外の婚約者は考えてすらいないが
いつか必ず、王を補佐する者は必要となる。
しかし、婚約者候補を探していた時以上に
側近候補の選考は難航していた。
ロベルトは、同年代からかけ離れ過ぎてしまったのだ。
逆にロベルトの方が努力しなければ
会話も成り立たないほどに···
『クロエと過去を共有していることは気に入らない。
しかし、ここまで私の思惑を理解できた
同年代の者はいなかった···現時点での話だが。
それに···絶対クロエを傷つけないという点が
何よりも魅力的だ···』
「アイル···と呼んでいいか?
君にもロベルトと呼んで欲しい。
私は君の頭脳が気に入った。
いずれ私の右腕として
隣に立って欲しいとさえ思い始めている。
クロエを譲る気はないが
その部分以外は、私と仲良くしてくれないか?」
「···その部分が大き過ぎて難しい」
「あはははっ!確かに!
君、本当に予想を超える反応だよ!」
「ん〜、わかった。
私は王子としてではなく、1人の男として
クロエを愛し守ると公爵に約束した。
アイル、君もそう思っているんだろ?
同じ志を持つ者として、仲良くしてくれないか?」
「······クロエのことを譲る気は僕もない
でもクロエを共に守る者としてなら
ロベルトと仲良くできると思う」
『ロベルトの本当の心がわからない···
仲良くできればそれでいい
けど···できない時は一番近くから抗ってみせる』
「決まりだ!アイルよろしくね?」
『今はここまでかな?
上手く育てばどちらも必ず手に入れる···
その為にも、一番近くで見守らせてもらうよ?』
豚カツ美味しかったです!
ロベルトがウザすぎて···
6歳だとはいえ
怒りを抑えることができない男って
私は1番嫌いですね!
彼は王族教育されてるってのもあって
嫌な意味で知力が高い
幼い王子だったんだと思います!
18歳の現在はもうちょっと
下の身分の者たちの立場ってもんを
良い意味で理解できてるって
思いたい感じです!




