アイル・ジェラートside04
「お嬢様、アイル様。
昼食にロベルト王太子殿下がお越しになると
旦那様より報せがありました。」
『ロベルト王太子殿下···?』
報せに来たマーサの後ろでは
使用人たちが忙しなく動き回っている。
公爵邸のこんな様子をアイルは見たことがない。
「ロベルト様が家に遊びに来てくれるのー?」
「夕方からはご予定があるようで
昼食の時間のみお越しになるそうです。」
「クロエ会ったことあるの?僕は知らない···」
「うん!
お城に行った時、お友達になったの!」
『·········』
「あのね、《ナットーゴハン》の王妃様の
お城に住んでる王子様なんだよー!」
『·········』
「んー??
アイルーどうしたの?眠たいの?」
『ダメだ···ちゃんと伝えなきゃ···』
「クロエに僕以外の友達がいて
僕···少し寂しく思っちゃったんだ」
「ん~っ!!
アイル!!可愛い♪♪だ〜いすきっ!!」
クロエはたった2週間しか違わないのに
基本、アイルを弟のように思っているので
弟分の焼きもちが可愛くて嬉しくて仕方ない様子だ。
「あのね、ロベルト様
同じ歳ぐらいのお友達がいなくて
寂しいって言ってたの!
だからお友達になったんだよー!
アイルも同じ歳だから、お友達になれるね♪」
「僕も···?なれるかな?」
「うん!なれるよ!
3人で遊んだらきっと楽しいよー♪」
しかし、やってきたロベルトは
アイルの想像する同年齢の子供ではなかった。
身体はアイルの方が大きいが
中身は比べられるようなレベルにはいなかった。
「クロエ!」
「ロベルト様ー!こんにちは!」
「城に来ないからビックリしちゃったよ。
ジェラート公爵から聞いたけど
父上から離れても大丈夫って本当みたいだね···」
クロエに向ける温かく甘い視線とは
全く異なる冷たい視線がアイルに突き刺さった。
『えっ···??』
「この子はアイルです!
えっと···、私のいとこです!
アイルが来てくれてから
アイルと一緒なら涙が出なくなったんです♪」
「そう···君がクロエの涙が止めたんだね···
クロエが嬉しそうで私も嬉しいよ。」
「うふふっ♪私もアイルに会えて
ロベルト様にも会えてとっても嬉しいです!」
「皆様、食事の準備が整いました。」
「ありがとうマーサ!2人共いこっ?」
「ああ」「···うん」
テーブルに並んだのは
クロエとアイルの《ナットーゴハン》
ロベルトの為だけに用意された
料理人力作の《ニホンショク》フルコース。
アイルは公爵邸に来てからずっと
クロエと同じメニューを望んだのだ。
「···私のために腕を振るってくれたんだね?
心遣いに感謝する。ありがとう。
でも、次の機会には
クロエと同じものをお願いするね?」
使用人に緊張が走った。
そして、全く緊張していないクロエが答える。
「えー?でも、私と同じならロベルト様も
《ナットーゴハン》だけになっちゃうのに?」
「ふふっ、もちろん!
クロエと同じなのが嬉しいんだ。
それに《ナットーゴハン》は
僕たちにとって特別な料理だからね?」
「本当だ!マーサ!ロベルト様は
《ナットーゴハン》の王子様だから
次からはみんな《ナットーゴハン》にしてね♪」
いつも同じ表情で冷静なマーサも
さすがに顔がひきつり、嫌な汗が出た。
チラと、恐れ多くもロベルトに視線を向ければ
クロエにわからないよう頷いている。
「···承知いたしました。
しかしながら、料理だけでなく
公爵邸にて不足がございました場合には
なんなりとお申し付けくださいませ。
ご要望には誠心誠意尽力する所存でございます。」
「うん、ありがとう。」
ロベルトもそれで満足したので
その日は、それぞれ用意された食事をとった。
その間、アイルはずっと居心地の悪さを感じ
クロエとさえ、あまり話すことができなかった···
すっごく悲しいんですけど
5話に収まらず6話まで続きそうです!
なっが!!!
とりあえずこの土日で
アイルのサイドストーリー的なのを
終わらせたい気持ちだけはありますっ!
5話は晩ごはん食べたら
投稿しようと思ってます!




