第59話 神農様から新たな情報有り
遅くなりました。
第59話 神農様から新たな情報有り
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「神農様は人々の病気や飢えを救うため、様々な植物を口に含んで、その効能と毒性を確かめたお方と聞きますが本当でございますか?」
孔ちゃんが聞いてみる。
「おっ、そなたよく知っておるな!
そう、儂は色々な生薬を試すのが大好きでな。好きすぎて毒草にも手を出して何度も死にそうになっての。人々からは強い毒を食べて死んだと言われたりもする。まぁ本当はちょびっと弱っただけなんじゃが。一応儂、神じゃし」
(神農様、それじゃあまるで友子を神様にしたかんじなんじゃ……)
心はちょっとそう思った。孔ちゃんが話を続ける。
「人身牛頭で体が光っており半透明で内臓が見えるとも聞いたことがありますが……」
「益々、そなた詳しいのう!
うん、その通りなんだがいつもそんな格好だと人々が驚くからの。人の世に出る時は、この老人の姿なんじゃ」
「そうなんですか。いやこれは素晴らしい神にお会いしました。孔は嬉しく思います」
「そう言えば、松江の使役、軍師だし、人たらしだったよね……」
「うん、そうだよ心。孔ちゃんにはきっと何か考えがあるみたいだね」
二人はしばらくやり取りを見守っている事にした。
「あの神農様、突然ですが『世界神サミット』というものには参加されましたか?」
「ああ。今年も参加したぞ。終わった後の宴会がまた楽しくてな〜」
「率直にお伺いします。私どもは梅毒の治療薬を探しております。医療や薬に詳しい神農様であれば、どの国に薬があるかご存知なのでは?」
「そうゆうこと!」
心と松江が同時に手を叩いて言った。
「う〜ん、孔よ。申し訳ないが完全な梅毒治療薬は、まだこの世界では見つかってはおらん」
「そうですか……」
皆はそれを聞いてがっくり肩を落とした。
「ただ、アレクと話したときは……」
「アレク?しんちゃん誰だっけ、その人」
友子が神農様に尋ねる。
「アレクレピオスだが」
「えっと、西欧医学の神様でギリシャ神話の最高峰の医神だったかと」
「さすが、孔ちゃん何でも知っているね〜」
「いえいえ、軍師たるものこの位は。
すいません神農様、続きをお願いします」
「アレクが既に兆しが見えていると言っておった。
何人かが梅毒治療には、カビが有効であることに気がついていると。元々このしん国でも、他国でも化膿している傷口に青カビを塗るという民間療法は存在しているしな」
「何ですと!」
皆がそれを聞いて思わず叫んでしまった。
「ちょっとちょっと、しんちゃん!それ本当なの?」
「うん友子、宴会の席で儂もアレクもよく飲んでいたがそう話していたのは間違いないぞ」
「どこで兆しがあったのか聞いてる?」
「ううんと、どこじゃったかのう?英国?仏国?何箇所かあったぞ」
「もう一度聞けないの?」
「直接会うのは来年の神サミットじゃな。
まぁ神通信で聞くことは出来るが」
「え!じゃあアレクレピオス様に聞いてくれるの?」
「まぁ、友子に言われたらな!しばし待ってくれ」
「ありがとう、しんちゃん!」
「神農様、ありがとうでやんす」
心も皆も、頭を下げている。
(しん国で薬がないと言われたけど、そのしん国で思わず有効な情報を手に入れることが出来たでやんす)
心は泣いていた。
「心、良かったね……」
えりと松江が泣いている心にそっと声をかける。
「えり、松江〜!」
三人は抱き合って喜んだ。
(やっと、やっと吉原の皆を救える兆しが見えてきたんだ。なんて嬉しいことだろう……)
「あの心様、喜んでいるところ申し訳ないですが、友子様がまた危ない橋を渡っているでやんす」
「うん?何なの、紅」
紅が指さす方をみていると、友子と神農様が和気あいあいと話しながら、口に何かを含んでいる。
「これは少しだけ毒性があるんだが、この舌にビリビリする感じとくらっとするめまいが何ともいえなくてな」
「いやぁ、これはいいね。しんちゃん。
〇〇のビリビリ感とまた違っていいよ!
あとさ、しんちゃんにここで会えると思ったから、これ持ってきたよ。日の本のジギタリス!」
「ああ!これはいいな。誤って飲むと即死する奴〜」
いつの間にか神農様と友子は、毒薬の試し食いを始めている。皆が心配そうに見てることに気がつくと、
「あ、皆心配しなくて大丈夫。
今だけ、何食べても死なない加護をしんちゃんからもらったから!症状がちょびっと出るだけ!」
「友子って前世でも、毒の展覧会とか嬉々として行ってたもんなぁ……だからって怖い!怖すぎるよ!」
「そうですよ心様!こればっかりは美桜も雅も、友子様にやめて欲しいのよ〜」
一同は、嬉々として毒薬を試し続ける二人を見ていた……
次回の投稿は10月28日(水)20時です。
よろしくお願い致します。




