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早死して転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です』  作者: 藍紫
第六章 異国への旅 準備 しん国編

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49話 宮爺ドッキドキ、しん国を巡る素敵旅のお話

49話 49話 宮爺ドッキドキ、しん国を巡る素敵旅のお話 投稿します 読んで頂けると嬉しいです


「いやいや 皆待たせたのう。では本格的に旅の話をしようか。

実は使役の皆から、何か分からんが空気が変わったと話があってな」

「え?私は何も感じませんが」

気の流れや場の雰囲気に一番敏感な松江が直ぐに反応する。


「使役の皆だけが感じるようなのだ。加羅様も分からんらしい。空気がほんのわずかだが、普段と変わっているらしくてな。

念の為、空気が元に戻るまで、旅の詳細を話すなと言われての。悪いが伸ばしておったんだ」

「その空気の件、ほおっておいて良いの?孔ちゃん」

松江はやはり気になっている。

「松江様、空気の変化はほんのわずかでしたし、今は落ち着いたので、暫く様子を見て良いかと思います」

他の使役達も頷いている。


今はすっかり真夜中。使役の皆と四人、平松の宮様だけが起きている。

「さっきはなんかすいませんでした。宮爺」

「ははは、皆迫力があって怖かったな。

それとな、また宮爺でよいぞ。久々に呼ばれたが、やはりいい呼び名じゃ」

「そっか、じゃあとりあえず旅の話を進めましょ。

お願いします、宮爺」


「ふふふ、では話を始めるぞ。

恐らく、手工芸品に関しては心達の前世の明治初期より、少し技術が進んでいるようだ。薬学、漢方もそうだ。行くと思わぬ発見があるかもな。

まずは杭州(こうしゅう)で漢方薬局の「胡慶余堂(こけいよどう)」に向かう」

「うっわあ、『胡慶余堂《こけいよどう》』!漢方の聖地!長旅と冬のに備えて、免疫アップの薬を買わなくちゃね!」

友子が飛び上がって早速反応する。

「そうじゃ。また商売としての漢方も仕入れるぞ。

その次は、蘇州(そしゅう)へ向かう」


「蘇州《そしゅう》!刺繍がある所でやんすね!

一度見てみたかった奴!」

心も素早く反応する。

「そう、蘇州刺繍が有名だな。美しく繊細でな。

人気が高いので商売でも多く仕入れるのだ。

また、温病学(うんびょうがく)の聖地でもある」

「うふ!まだ発見はしていないけど、既にウイルスに対しての治療を考えてたんだよね〜」


「そう言えば、〇国志の場面が蘇州刺繍でモチーフとして使われてるみたいよ。『三顧の礼』とかさ」

「それな!一回見なきゃって思ってたのよ〜ああ幸せ」


「そこから武漢に向かう。」

「武漢!〇国志の赤壁の戦い(せきへきのたたかい)の場!」

「ははは、武漢から近いかの。合間に行ってみるといい。」

松江の興奮気味な様子に宮爺も、笑いながら答える。


「因みに、武漢ではお茶と漢方薬を仕入れるつもりだ。免疫アップの秘薬が……」

「はいっ!確か孔〇様ゆかりの薬があったと思います。」「ね〜!」

松江と友子が食いつき気味に話す。


「お爺さま、誰かにご挨拶等はしなくてよいの?」

「今回は、絹織物を管轄している役人へ挨拶をする。

そうそう、蘇州に着いたら最初に行かねば。

えり姫、一緒に頼むぞ」

「ですよね~ああ、緊張しちゃう!」


段々と、また四人が興奮してジリジリと宮爺の近くに寄ってきている。

「はい!次、次は!」

四人の目は再び血走ってきた。

「なんか宮爺、またちょっと怖いんだけど〜」


「松江様、皆様、興奮するのもほどほどに……」

「孔ちゃんは、口を出さないで!」

「でも、本当にちょっと怖いぜ」

まるちゃんも一応言ってみる。

「もうまるちゃん、今はいいの!」


(うわぁ、もうダメだこれ、オタクモード全開だぜ……)

「なあ、理央ちゃんも一言言ってく……」

「えり姫様、早速外交にも興味を持たれて。なんて素晴らしいお心遣い!」

「孔ちゃん、今理央ちゃんに言っても無駄なのよう」

「そうそう、すっかり目がハートだもん」

美桜と雅がまるちゃんの服をそっと引っ張って小声で教える。


宮爺がちょっとひき気味に話を続ける。

「う〜んと、それから最後に汕頭港(スワトウ)に寄ってから広州に入る。そこは……」

「はいはいはい!汕頭《スワトウ》刺繍だぁ!そして広州刺繍!」


「ねえ、私も可愛い刺繍物で衣装が欲しいわ。役人様と会う時にいいかも」

「買いましょう!えり姫様。えり姫様ならどんな衣装もお似合いになります……」


「えり、買おうよ!わっちがコーディネートするからさ!ええと、蘇州で見繕って……」

もう心は花魁言葉も乱れまくって興奮している。

「わあ!心嬉しい!え〜どんなのがいいかなぁ」


「ええっと、先ずは孔〇様ゆかりの刺繍のものを買って……」


「まずどのくらい、漢方仕入れればいいかしら?温病学《うんびょうがく》も何日かいて学びたいし……」

四人はそれぞれ自分の世界に入ってしまった。


「あの〜宮爺、一応話終わったけど。

もう終わっても良いかな?」


「……」

もう誰も答えてはくれなかった。


◆


平松の宮様との話を終えると、もう真夜中になっていた。皆、それぞれの部屋に戻っていった。

心が部屋に行くと、心のベッドで豆助と紅がスヤスヤと寝息をたてている。

「もう、二人とも。ベッドは3台ちゃんとあるのに」

心は二人の頭を撫でて、ベッドに入り込んであっという間に寝てしまった。


……しばらくすると、不意に紅が目を覚ました。心が隣で寝ている。

「心と一緒じゃ。紅は嬉しい」

そう言ってまた寝てしまった。

紅の中にある黒い塊はピンポン玉からもっと小さい梅干しの種くらいの玉になっていた。
















次回は9月25日(金)20時に投稿します。

よろしくお願い致します。


*明日、9月24日(木) 20時、スピンオフのお話

「お疲れなアラサー着物女子、推し活旅で推し友の神対応に癒された件」 の第五話 

を投稿致します。良ければお楽しみ下さい。


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。皆様の日々のちょっとした楽しみに。

そして心がふわっと軽くなってもらえたら嬉しいです。

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