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早死して転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です』  作者: 藍紫
第六章 異国への旅 準備 しん国編

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48話 上海到着とあの黒いやつ

48話 上海到着とあの黒いやつ


を投稿します。読んで頂けると嬉しいです。

「もうすぐ船が上海に着港するぞ。いやぁ速かった。

加羅様のおかげで、平松丸の力が十二分に発揮できたな」

「江戸から五日で上海に到着なんて凄い。最新の蒸気船でも1週間ほどと聞いていたのに。宮爺、凄いでありんす」

心は期待と高揚感で久々の宮爺呼びになる。


「我は有能だからな!当然じゃ」

「偉いぞ加羅様」「凄いな」

「うふふん〜」

加羅様は豆助と紅に褒められてご機嫌で小躍りしている。


「おっ豆助、紅がしっかり加羅様のお相手役として活躍してるね、心」

「えり、そうなのよ。私も嬉しくって。ねっ、豆助、紅」

心は二人の頭を撫で抱き寄せる。

「心様、豆助と紅はもうそんなに子供じゃないぞ」

「もう、心様!」

二人はそう言いながらも、特に紅は嬉しそうにしている。

(最近、特に紅は幼い子供の様にくっついて来てたけど、少し戻ってきたみたいね)


今はほとんどないが、船に乗ったばかりの頃、紅はよく夢にうなされていた。

「やめて、もう間違えませんから」

(私に嫉妬している他の花魁から、いじめを受けたんだね。可哀想に……)

目の前で加羅様と豆助と一緒に遊んでいる姿に、心は少しホッとした。


帆船が入港していくのは一大事の場面であった。

「船が着くぞ〜」

「帆を畳め!」

「綱引け〜!」

甲板では船員達が忙しく動いている。マストに登り、帆を畳む水夫。タグボートにつなぐ為の綱をひく。

船は濁流の長江口(ちょうこうこう)と黄浦江(こうほこう)へ入った。

黄色く濁った河の中、しん国の竹製の帆の大船や小舟をスルスルと避けて進む。その後は地元の蒸気タグボートで船をロープで引っ張ってもらい上海港に入っていく。


「見て、理央、河が黄色く濁ってる!ボートで船を引っ張って行くなんて凄いわねぇ」

「本当に!えり姫様、河の流れも凄いですよ!」


「ああ!やっと孔〇様の国に来たのね。孔ちゃん」

「一つの河がこんなに大きいとは!

やはり孔〇様の国は大きい国ですね」


「流、この辺りで狙う魚はもう決めてんの?」

「ああ友子、釣れたら凄い魚だよぅ〜」


皆、甲板で外の景色を楽しんでいる。

濁流の川岸で遠くから爆竹の音が響き、沢山の船からは色んな異国の言葉が飛び交い、とても賑やかだ。


「凄かったでやんす!こんなに沢山の船に全くぶつからないなんて!」

「この船の船員達の腕は素晴らしいし、加羅様もいたからね」

いつの間にか心の隣に治助がいる。


「治助様、蒸気船も行き交っていますね。なんて賑やかでありんしょう」

「上海は国際的な港だから異国の船も多いんだよ。

さあ、もうすぐ着港だ。皆、船員の邪魔になるから部屋に戻ろう」


有能な船員達のお陰で、問題なく上海の外国人居留地に到着した。


船夫達と地元の人夫で積み荷を降ろしていく。

その後荷物の整理が全て終わり、皆が一息ついたのは夜だった。 


「皆、お疲れ様。夜も遅い。

今日はもうゆっくり休んでくれ」


「いやいや宮爺、大事な事が残っているでしょう!ねぇ心」

「それな!旅のルートやどこを巡るのか聞かないと、わっちは眠れません」

心の手元には、「世界の刺繍」「世界の民族衣装」本が握られている。

(怖っ。二人とも目が血走っとる)

「じゃが他の皆は疲れていると。のう松江、えり」


「いやいや、しん国の料理もどこを巡るのかによって心構えが違ってきます。

っていうか、孔〇様の聖地をいつ巡るチャンスがあるかと思うと夜も眠れんしな!」


「私だって!友子と一緒に薬を探さないと。理央との結婚がかかっているんですよ!」


段々と皆は平松の宮様に近づいてくる。

「いや〜ん!宮爺怖〜い」

平松の宮は、ちょっと可愛く言ってみる。

「は?何て?」

全く効果が無かった……



簡単な食事のあと、平松の宮様は旅の説明を始めた。

何やら長い巻物を持っている。

それを開いてみせる。


「じゃ〜ん!皆の希望を盛り込んだ

ツアーを宮爺は考えましたぁ。

題して、

『ドキドキ、ワクワクMAX!四人のしん国を巡る素敵な食事、刺繍と民族衣装、漢方薬の旅!ちょっとだけ免疫力向上の薬もね』だよ〜」

平松の宮は鼻高々に皆を見た。


「……だから、どこに行くのかって言ってるの!!」


皆が平松の宮に再度詰め寄ってきた。

「嫌〜ん、宮爺……」


「それもういいから!」

皆が一斉に平松の宮に突っ込んだ。


皆が大騒ぎの中、上海の夜は更けていく。


◆


平松丸の積み荷を降ろしていた頃、加羅様と豆助、紅は船内で最後のかくれんぼをしていた。

船底に紅が隠れていた時、あの黒い塊が少しずつ紅に近づいていた。

前よりも小さくピンポン玉くらいの大きさ。


紅が立ち上がって隠れ場所を変えようとしたその時、立ちくらみがしてしゃがみ込んでしまった。

するとその瞬間を待っていたかのように、小さな黒い塊はスッと紅の中に入り込んだ。

「あっ!」

紅は小さく叫び、そのまま倒れてしまった……

「どうしたんだ、紅」

豆助が倒れている紅を見つけた。

「立ちくらみがしたんだ。もう平気だ」

「加羅様、豆助、紅!来てください。

船を降りますよ〜」

心が呼んでいる。

「は〜い!」

三人は元気に心のもとに向かった……


















































次回は9月日(水)20時に投稿します。

よろしくお願い致します。

*明日、9月22日(火) 20時、スピンオフのお話

第三話 「お疲れなアラサー着物女子、推し活旅で推し友の神対応に癒された件」

を投稿致します。良ければお楽しみ下さい。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。皆様の日々のちょっとした楽しみに。

そして心がふわっと軽くなってもらえたら嬉しいです。

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