43 異国旅への準備 そのニ
第43話 異国旅の準備そのニ 投稿致します。
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「それでは日の本と帝のこと、お頼み申します」
「ご安心下さい、孔様。えり様が異国へ旅に行かれるなら、帝の御心へもご配慮が必須。この通り、先日異世界(心前世にいた世界)から持ち帰った帝が好みそうな書籍(漫画)も持ち帰っております」
孔ちゃんは左大臣、遠衛信広様と話していた。
「遠衛様……異世界に行かれるのも、もうお手の物ですね」
「ふふ、以前えり様の件で、処刑されてもおかしくなかった私に、皆様は
大きな役割を与えて下さった。感謝してもしきれません。」
「いやいや、遠衛様をお助けしたのは、その政治的手腕を無くすのは惜しかったからです。
今や遠衛様は、平松の宮様と並ぶ公家の重鎮。帝もさぞかし頼りにされておいででしょう」
「しかし、帝も今は随分落ち着いておられます。今回、えり姫様のご結婚話にも、御心は乱さずにおいででした。孔様がご心配するほどではないのでは?」
「はい。私も帝がえり姫様の事で御心を乱すとは思ってはいません。
私が心配しているのは禍津神の事です。
この数年は飢饉や流行り病は起きていません。しかし今年は米の生育が思わしくない。恐らく米不足になるでしょう……
人々の不安や不満は禍津神を呼び寄せるのです。
米不足で栄養不足になれば、流行り病も蔓延しやすくなります……」
「わかりました孔様。その辺り、特に気をつけておきましょう」
「よろしくお願いします」
孔ちゃんは遠衛様と別れ、松竹亭へ戻った。
松竹亭では松江が早々に食糧や保存食の支度を済ませ、長椅子に横になっていた。
「どうしよっかな。孔〇様の聖地巡礼。そんなに沢山は回れないし〜
孔〇様の像がある成都、三顧の礼の舞台の襄陽と南陽か、う〜ん、悩ましい……」
松江がオタクっぷりを前面に出して、
旅の道中に寄るところを悩んでいる。
「松江様、孔〇の最後を迎えた場所の五丈原も外せませんよ!」
「うわぁ、そうだ孔ちゃん!どうしよう……」
真面目に悩む松江をみながら、孔ちゃんはあらためて、日の本の人々や大切な仲間が禍津神に巻き込まれることがない事を祈った。
◆
友子は、旅に必要な薬草を採りに
山を歩いている。気がつくと、以前、紫陽花のプラントハントで来た場所にいた。
(そういえば、以前ここで面白い人に会ったなぁ。確か流だったっけ)
友子は以前会った流の事を思い出していた。すると川の上流からするすると降りてくる人がいる。
「おやぁ?あんた前に会ったねぇ〜
友子だったかな?いやぁ〜久しぶりだねぇ」
「うわぁ、また会えたね!流!」
「本当だねぇ、会えて嬉しいよぉ〜
そういえば、今度行く異国の旅でも一緒みたいだねぇ〜」
「えっ?そうなの?」
「そうだよぉ〜治助様が平松の宮様に同行するって言ってたからさぁ。
俺はまた異国で珍しい魚を釣ることになっているんだよぉ~」
「そうだったんだ!流と一緒なんて楽しそう……きっと、流を見たら私の仲間達も喜ぶよ」
「それは楽しみだねぇ。今日は何用でここに来たんだい?」
「今日は旅の為の薬草を採りに来たんだよ」
「それなら、俺がかなり採ってきたぞ。ほら、見てくれ」
二人は薬草を確認して、足りない分を採りに山奥深く入っていった。
美桜と雅も二人の前を翔んで道案内をする。
「いい使役だねぇ〜。可愛いなぁ」
「流は神々や自然の声が聞こえるんだね」
「そうだよ〜。生まれた時からずっとだ。友子、あんたもだろう?同じ様に見聞きできる人間を初めて見たよ」
「私もだよ!流はきっと私の仲間達に会ったら、びっくりするよ」
「おう、それは楽しみだなぁ〜」
二人は今後の事を喋りながら薬草採集を続けた。
◆
友子達がいる山のさらに深い奥地の、暗い洞窟の中、霧の様な煙が、黒く渦巻いていた。それは小さな塊になりつつあった。
黒い塊。怖っ!
次回の投稿は9月16日(水)です。
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