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早死にして転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です!  作者: 藍紫
第五章 それぞれの役割

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35 理央のプロポーズ

新しいエピソードを投稿しました。

読んで頂けると嬉しいです。

さくら亭の閉店時間が近づく。今日の理央はお店で失敗ばかり。焼き物を焦がし、味噌汁を沸騰させ味噌の風味を悪くする。しまいには料金を貰いそびれそうになる。


「どうしたのですか?今日の理央は、心ここにあらずって感じです。

昨日の宴会で夜更かしてたからじゃないですか?」


「そうかもしれません。すいませんでした」


「大丈夫よ、理央。また明日から一緒に頑張りましょう」


どうしよう。何と言えば、この気持ちを姫様に分かってもらう事が出来るのか。本当にどう話せば……頭の中でぐるぐる考えが巡る。


刻々と時間は過ぎていく。辺りは暗くなり、まるいお月様が顔を出した。カエルと虫が鳴き夏の夜を彩る。

草木が夜露に濡れ、月の光でキラキラ輝いている。

平松の宮邸の庭に咲く白い夜顔の花や、まだ江戸では珍しいジャスミンの花の香りがそっと漂う。


「なんと綺麗な月夜でしょう。理央、見て。

白い花々の見事なこと」

えりが庭の景色をゆっくり眺めていると、


「えり姫様、私の話を聞いて頂けますか?」

理央が真剣な顔でえりに尋ねる。

「うん?なんですか、理央」


「えり姫様、私は今までずっと姫様に使役としてお仕えしてきました。幼い頃からずっと……

ですが、これから私は使役としてではなく、姫様と共に夫婦として人生を歩んでいきたいのです。

えり姫様、私と結婚していただけませんか」


言えた!言えたぞ!理央は思いを伝えることができ、ほっとした。

そしてゆっくりとえり姫様を見てみると……


「はあ……」何だかキョトンとしている表情。

「えり姫様?やはりお嫌ですか?」

理央が不安になり聞いてみる。


「えっと、私はもう夫婦のような感じだと思っていましたが……」

「え?」

訳が分からなくなってきた。

「えり姫様、どういうことでしょう?」


「だって、以前理央が倒れて狐の姿に戻ってしまいしばらく横になってた時、私から告白したんじゃない。覚えてないのですか?」


「ん???」

理央はその時のことを思い出してみる。あの時、えり姫様は私を抱きしめてこう言った。


「理央、早く目を覚まして。理央が居なかったら私何もできないの……」

「私の大切な理央……」

「早く私のそばに戻ってきて」

これはえり姫様にとっては告白だったのか?なら姫様は?


「あの〜姫様、夫婦のようなものとはどういう……」


するとえりは少し怒ったように、

「だって私が自分の気持ちを正直に言ったら、理央は戻ってきてくれたでしょう?

それは私を受け入れてくれたのではないの? 

それからずっと二人でいるでしょう? だから!」


理央は、想像の斜め上をいく展開に頭がついていかない。

「す、すいませんえり姫様、すると姫様は私のことを思っていると?

それで、けっ、結婚して下さるということですか?」


「いや、だから!もうしてるようなものって言ってるでしょ!」


う〜んと、理央が頭を抱えていると、どん!えりが理央に体当たりしてきた。


「ひ、姫様?えり姫様?」

理央はえりを受け止める。


「あのね、私はずっと理央だけなの!私には理央しかいないの。

好きなのは当たり前なの!

使役でも夫でも何も変わらない。

私の隣には、今もこれからも理央しかいないの。なんで分からなかったの!ひどい!」


えりが理央の腕の中でそう言って怒っている。

「すいません……」

何で私は謝ってるんだろう。

だが、姫様は前から両思いであり、夫婦になるのは当たり前だと言っておられるのか……


「えり姫様、お気持ちわかりました。ですが、こういうことは私からちゃんと言わせて下さい。」

理央はえり姫様の両手を握り、

しっかり目を見て、笑顔でこう言った。


「えり姫様、私と結婚してこれからも一緒に人生を歩んで頂けませんか?」


「はい!私にはそれしかありません」


二人はお互い嬉しくて笑い、泣いていた。そしてお互いを抱きしめる。二人は顔を見合わせ、自然と唇を重ねる。庭の池には、二人のシルエットが満月をバックに映っていた……


「ぴちゅ!」 

小さく鳴いて二羽の小鳥が少し離れた木に止まっていたが、さっと飛び去って平松の宮邸に入っていった。


理央はえりに、皆と昨日相談したことを全て説明する。

「二人の事だから、一緒に頑張りましょう」

えりはそう言って笑う。やはりちゃんと話すべきだった。理央も笑って答えた。


えりと理央が手を繋いで、部屋に行くと、客間に明かりがついている。


明かりを消さねば。昨日からついていたのか?理央が行くとえりも理央にくっついてついてくる。

嬉しい。思いが通じ合うとはこういうことなのか……


部屋に行くと、ちかっ!小さい光がきらめき、そしてパン!っと音が鳴る。


理央はえりをかばう姿勢を取る。と、

「おめでと〜っ!」

昨日帰ったはずの皆が、いつの間にかまた集まっている。


「ふふ、源外先生にクラッカーもどきを作ってもらったでありんす」


「ああ!サプライズか!久しぶりだから分かんなかったよ〜」

えりが全てを理解して、理央にも教える。「あのね、理央……」

何だかふたりは初々しい雰囲気。 


「えり。やったね!おめでと〜

美桜と雅がすぐ教えてくれたよ!」

友子が嬉し泣きしている。


「わぁ、遠くで鳥が鳴いてるとしか。緊張してたから、気配が読めなかったのか……」

理央が照れに照れているが、えりは平然としている。


「元々夫婦みたいなもんと思ってたのでありんすか。まあえりだからねぇ」


「えり、そりぁ理央ちゃんもちょっとわかんないよ。結果OKだからいいけどさ」


「え〜だってぇ、松江」


「いいんですよ、松江様。私たちにとっては幸せなことです。あらためて皆様、本当にありがとうございます」


理央とえりが皆に頭を下げた。

皆それを拍手で迎える。


「先ずはお祝いの乾杯をしましょう」

孔ちゃんは素早く皆に乾杯用のお酒を回す。


「では、ここはりえ兄に音頭をお願い致します」

孔ちゃんが言うと、お忍びで来ていたりえ兄(帝)が、大泣きの状態で客間に入ってきた。

「えり、理央まずはおめでとう。嬉しいような、寂しいような。これからの神々のこと、私も応援している。私のえり姫がお嫁に…でも、とにかく乾杯〜!」


「乾杯〜!」


皆の声が庭まで響いた。

空には変わらずまん丸のお月様。

庭には小さな狐が一匹。不思議なことに使役達も誰も気が付かない。しばらくするとふっと小さな狐は消えてしまった。




















大変申し訳ございません。8/29迄私事都合で投稿お休みさせて頂きます。(詳細は活動報告へ)


まずはおめでとう。理央アンドえり。理央は神々から結婚を許されるのか、異国への旅で薬や衛生材料は見つかるのか?どうぞこれからをお楽しみ下さい。


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。四人と使役達のこれからが気になる!面白い!と少しでも思って頂けたら、スター(☆☆☆☆☆)やブックマークで応援お願い致します。

皆様の応援が、作品作りの大きなモチベーションになります。よろしくお願い致します。


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