34 皆で会議! 神々の元へ向かうためなのよ〜
美桜と雅にタイトル読んで貰いました。
新しいエピソード投稿します。投稿がまちまちで申し訳ありません。
読んで頂けると幸いです。よろしくお願い致します。
今晩は皆、えりのところに泊まることになった。
「えり姫様はよく眠っておられる」
理央がえりの部屋から、皆がいる客間に戻る。
前もって、まるちゃんから心に、えりのことで話があると伝えておいた。平松の宮様も来ている。
「理央。爺や皆に話とは何じゃ。」
平松の宮様が理央に聞いた。
「はい、宮様。もし許されるなら私は使役としてではなく、夫としてえり姫様に寄り添っていきたいのです。まずは宮様にも、ご許可を頂かなくてはと思いました。そして、私の使役という立場でまかり通る話なのか、稲荷様にも伺わないといけません」
理央の必死な姿に宮様は、ニヤリと笑った。
「理央よ。今のえり姫を支えているのはそなたじゃ。これ以上の夫はおらんと爺は思うぞ。
しかし、神々はどう思うか。そこが今回の悩みどころじゃ。なんせ前例がないからのう。
神々にお願いに行くとはいえ、交渉次第じゃなかろうか」
「そうですね。宮様、孔もそう思います。まずは弁天様ですか?」
「お、やはり鋭いな孔ちゃん。
弁天様はこの間手に入れた物をプレゼントすれば、味方になって応援してくれるな。あとはそうじゃな…」
孔ちゃんが提案する。
「稲荷大神様は宮中の安定を願っておられます。
以前の骨折事件のように、えり姫様の心身の安定が帝には必須。
理央ちゃんだけが、えり姫様を支える者だと伝えてみようかと」
「でもよ、それって使役でもいいんじゃあって言われないか?」
「まるちゃん、そこなんです。」
孔ちゃんは続ける。
「私達、使役では支えられない部分。
それはえり姫様に今後必要な、夫婦の絆です。
現段階で、えり姫様の全てを支えていけるのは、理央ちゃんしかあり得ないのです」
「確かに前帝の姫宮って立場は、利用したくなる奴がきっと出てくるでありんす」
心も他の皆も、孔ちゃんの意見には納得していた。
松江がもう一度皆に言う。
「大丈夫だと思うんだけど、えりって理央で良いのよね。えりもこの事知らないと不味くない?」
「多分ね。えりは素直だから、理央のことをどう思うかすぐ教えてくれるよ。
でも一緒になる為に理央や皆だけが頑張るのは、負担だし、嫌だと思うよ。
きっと、その為に自分も一緒に頑張る。これなら納得だね。ここ、間違うと大変!えりは頑固のがん太だからね」
友子が話すことに皆、納得した。
「そうですね。初めは使役達と相談して、えり姫様には内緒で行こうと話していたんです。でもそれはえり姫様が蚊帳の外になる……」
理央が深く頷いた。
「わかりました!明日全てをえり姫様にお話します。」
お〜っ! 皆は心から理央が決心したことを喜んだ。
「うん?孔ちゃん、まだ何か気になるの?」
松江が孔ちゃんの表情を読み、聞いてみる。
「ただ、もう一つ何かがあるとよりいいと思うのですが。それが孔の中でピンと来なくて」
「つまり、神々との交渉材料がもう一つほしいということじゃな」
宮様も孔ちゃんの意見に納得した。
う〜ん、ここで皆、頭を抱える。
その時、不意に美桜と雅が話し出した
「今度皆で異国に行こうって話があるでしょ?
それは皆が健康で長生きするためよね。
お母ちゃんが薬を探している時も、神様はそれを手伝ってくれるの。
病気平癒と無病息災のための物を探しに異国に行くのも、神様はきっと好きなのよ」
うん?何のこと?皆が少し考えていると……
「そうか、流石あたしの使役達!」
友子がぽんっと膝を叩く。
「今回の異国の旅で、心が願っていた梅毒の治療の薬や、衛生材料を見つけることで、沢山の人々の命も救われるかもしれない。それは日の本の、先々は世界の安定に繋がるかもしれないってことね」
「そうよ〜お母ちゃん」
宮様はしばし考える。
「このこと、言うてみるのもいいかもしれんな」
「素晴らしいです。美桜ちゃん、雅ちゃん。これはとても強い交渉の種になりますよ」
孔ちゃんも大絶賛する。
「それなら、」
心も話し出した。
「わっちは吉原で環境改善した時に、弥勒菩薩様からも加護を頂いたでありんすよ。
この案件、吉原の弥勒菩薩様と稲荷様にも応援頂けないでしょうか」
「それはいいな。よし、心様。私と孔ちゃんで相談に行ってみます」
「皆様、私のために色々考えて頂いてありがとうございます。理央は感謝しかありません」
「いやぁ、結局皆で異国に行って、やることが明確になっただけだよ。理央ちゃん気にしないでいいよ」
友子が気さくに言う。
「わっちは、皆と話していると異国で見つけるのも、理央のことも大丈夫な気がしてきましたよ。
じゃあ、今度の異国の旅は『探せ!見つけろ!四人好み、異国旅(えりと理央のウエディングに向けて)』に決定でありんす」
お〜っ!!皆ここでえりが起きないように小さく拍手した。
◆
理央は夜空を眺めて考える。
(明日はえり姫様にお話する。姫様は何と言われるだろうか?いいお返事を頂いても、今度は稲荷様だ。
えり姫様と結婚したいという自分に、いったい何と言われるだろうか……)
「理央ちゃ〜ん、どうしたの?お空をずっと見ているのね〜」
「美桜、男には人生の頑張りどころってあるの。でも不安もあるのよ。ね、理央ちゃん」
雅がそう言った後、二人は理央の両脇に来て手を握る。
まるちゃんと孔ちゃんも隣にいる。皆で黙って夜空を見上げる。
(何故だろう、不思議とそれだけで不安な気持ちが救われる気がする。友とはこういうことなのか)
「ありがとう」 理央が言う。
「うん」 皆がただ頷く。
自分の中から新たに力が湧いてきた。理央はそう思った。




