33 心花魁、やれる事を見つける
すいません、遅くなりましたが33話投稿します。読んで頂けたら嬉しいです。よろしくお願い致します。
「え〜?どうした心?」
「仕事で辛いことでもあった?」
「心、話してみ?」
三人は一斉に問いかける。
「いや、さすがに今は辛いことはないよ。私のお客様は基本爺様達だからお話だけ。治助様や蛸さんもそうだから。
ただね、私はそうでも皆は違う。
感染防止や環境改善でかなりマシになったけど、やっぱり梅毒や性病も時々出てくるよ。
妊娠して危ない方法で中絶する娘もね。
私は、着物も皆が『心好み』って言ってくれる可愛いものも大好きだよ。
でもね、大切な仲間が病気のリスクと闘ってるのを、ただ見てるだけなのは、もう辛いんだ。もう少し何とかしたいんだよ」
私は、皆に思っている事を話した。
「そうだよね。だってあたし達は、前の知識があるから、いくらでも薬や予防法も分かるしね。見てるだけはきついよね」
「心はできる範囲で改善してきたじゃない。松竹亭でもお客様が感心してたよ」
「それでも、心は何とかしたいのね。う〜ん、友子、松江どうしたらいいの?」
皆、前世は看護師。私の言っていることを心から感じ取ってくれている。
「そうだ!平川源外様!友子のところで、薬研究してるんじゃあ……」
「松江、まだ出来てないから悩むんだよ。もう少しなんだよね〜そもそもが前世でももう少し先なんだよ」
「予防でもいいんでしょう?心、コンドームは?」
「えりの考えは、私も一緒。でもさあんなに薄くて伸びる素材こそ無いのよこの世界……」
「ちょっと待って心、海外ではもう発明されてないかな?
今いる時代って、前世より進んでいる事も多いじゃない?
この5年で、幕末の混乱も無く、鎖国も無くなって明治みたいな時代になってきてるよ」
「友子!それ、かなり可能性が高いよ。前世は春日局を思い出せずに、ほら、何とかの壺!って言ってたのに歴史に強くなっちゃって〜」
「ふふん!心、友ちゃんは変わったのです。っていうか、異国に行くんだもん、嫌でも自国に詳しくなるわ〜」
友子がちょっと鼻高々に言う。その姿が自慢げではなく、可愛らしく映るのはいつもの笑顔のせいだろう。
「海外にあれば、源外先生も作れるかもよ。
先生アイデアが果てしないし宣伝も上手いから!
土用の丑の日は、松竹亭もお世話になったからさ〜」
「私も、お爺さま(平松の宮様)に聞いてみる。何かご存知なのかもしれないし」
「コンドームが手に入ったら…中絶や性病も少なく出来るかな?他にもこうやって皆と一緒に考えたら……
まだ私、吉原でやれることあるんだね」
私は気がつくと泣いていた。
「そうだよ心。コンドームだけとは言わず、薬だって探そうよ! 源外先生も研究中なんだし。
他にも衛生用品とか色々探してさ!
今できることをやってみようよ」
「心はひょっとしたら、吉原を少しでも良くするためにこっちに来たのかもよ」
「心、昔から着物もそうだけど、花魁とか舞妓とか大好きだったもんねぇ。
きっとそうだよ。吉原で仲間になって、皆を助けたかったんだよ」
(えり、本当に身分なんて考えもしないね。そして皆も。私はなんて恵まれているんだろう……)
私は涙が止まらなかったが、笑顔で皆に言った。
「じゃあ今度は『探せ!衛生、薬品達。見つけろ!
異国で心好み!』って感じかな。友子、私を異国に連れてって」
「なんか平成の映画みたいな事言うね。でもそこには『薬草と更紗』が足りないよ」
「え!じゃあ、『香辛料』も足して」
「え〜それなら、『マハラジャとマハラー二に会う』も!」
皆が希望を言い出した!
「え〜!じゃあ、『探せ!見つけろ!四人好み、異国旅』でどう? ……っていうか皆異国に行くの?」
「行く!」
皆が口を揃えて言った。
◆
その頃、使役達はまだまだ話し込んでいる。
使役達で理央の相談に乗っていた皆は、「先ず伏見稲荷大社の稲荷様に会いに行こう」とそこまでは話が決まった。
然し、横では主人達が異国に行こう!と盛り上がっている。
「私は、異国に行く前に、稲荷様に相談に行かねばなるまいな」
「そうだな、理央ちゃん。私達もついて行くぞ。早速準備して明日にでも行かねば」
「待って下さいまるちゃん。行くための理由を考えましょう。えり姫様にそのまま言うわけにはいかないでしょう。孔が思うに他の皆様に事情を話して……◯◯」
「それ!いい!」
こちらも皆が賛同した。




