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早死にして転生したアラフィフですが異世界の江戸では人生愉快痛快です!  作者: 藍紫


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4 心、吉原で頑張る

吉原に着いた心は、天女楼という所に売られた。



先ずは掃除や洗濯などの下働きからスタートだ。



よし!先ず足腰を鍛えて、体力と免疫力もつけて行かなきゃ。心は気合を入れた。



昔の生活はそれだけで筋トレになる!トイレも当たり前に和式だし、洗濯も掃除も全て手動なんだから。



…というわけで、心は掃除洗濯を自ら進んで行った。



筋トレとストレッチも仕事の合間に

よくやってたなぁ。



まるで見たことない動きだから、皆

最初はすっごいびっくりしてたけど。



私、前世まえだったら筋トレやストレッチなんか、分かってても面倒で

ほとんどやらなかった。



でも、この吉原で健康な身体づくりは

絶対に必須。



一度死んでる身としては、絶対に気をつけないとね。



心がこれだけ意識するのは、この江戸

でも、前世の江戸時代と変わらず、治らない病気が多いからだ。



今世の江戸は、強い鎖国はない為か、西洋医学も、かなり身近になってい

た。



盲腸の手術や帝王切開等は、お金があ

れば既に町民でも受けている。



しかしまだ治らない病気も多いのだ。

流感インフルエンザや肺炎、疫病や梅毒、ビタミン不足からの脚気……



ワクチンや抗生剤的な物はまだ存在しておらず、治療法や薬も乏しかった。

他にも高血圧からの脳梗塞、心筋梗塞

予防医学の常識もないに等しい。



どれもかかったらほぼ死に直結だよ。

気をつけないと。ましてここは吉原

だもの。


今迄は、嫌な事は先延ばしにしていた

心だったが、流石にこの状況では、

かなり気をつけないと本当にまずい。



心は必死になって強固な身体に精をだした。



それが功をそうしたのか、徐々に心は痩せぎすの体から、赤い頬をした健康で女の子らしい姿へと変わっていった。



その後、部屋子になってからはまだ

この世界では重要視されていない、

環境整備と感染予防にも気を配った。



「近所の薬師如来様からやるようにと

の大切なお言葉ですから」



先ずは、部屋付きの信心深い姐さんを納得させて対策を行った。



部屋の姐さんに、異国のシャボン、今で言う石鹸を買ってもらった。

面倒臭がる姐さんに、うがいと手洗い

の方法を教え実践したのだ。



「寒い〜!」と、嫌がる姐さらんを無

視して窓を開け換気を行い、



「きつい〜」文句ばかりの姐さんに、

自前のストレッチや筋トレも行ってもらう。



卵や魚 納豆など取れるタンパク質を

多く取ってもらい、軽い散歩もお願い

して、一緒にやった。



そして姐さんの客人の健康状態にもさ

り気なく気を配り、体調の悪い客は

上手く言って、予約の段階で断った。



この江戸ではまだ結核や梅毒の特効

薬はないし。ここでは神様が治してくれる事もあるみたいだけど、その人によるし必ずでもない。



姐さん自身が健康で、免疫力の向上と

問診や感染防止が出来れば、きっと大分違うはず……



病気が流行ると、皆も自分の命が危ないしね。



せめて、私が前世まえに看護師と

して学んだ知識で、出来ることをして

いこう。



私は、前世のハードワークのテンションでバリバリ働いて環境改善しつつ、姐さんを盛り立てていった。



ある冬今で言うインフルエンザが、

江戸中で流行った。



皆が感染してバタバタと倒れるなか、

姐さんと心だけがピンピンしていた。



これをみた他の姐さん達や下の者も、

一斉に同じ事を実践した。



心は感染後の対応も、皆に教え実践した。



おかげで天女楼は、健康な女揃いの名

店として、徐々に上客がつく人気店と

なっていった。



そして心の陰なる支えもあって、姐さんはついに太夫になった。


「いやぁ 心のお陰で身体の弱かった

私はどんどん元気になって、太夫にもなれたよ。


本当に感謝してもしきれないでやんす

ありがとう」


姐さんが涙をこらえて、心に言った。



姐さんの華やかな花魁道中に、禿とし

て付き添いながら、



(皆が健康になって良かったよ。

遊郭を無くすことは、今の私には

出来なかった。だけどせめて環境改善だけはしたかったんだ……)


心はそう思っていた。



この事は、後で近所の神社の薬師如来様が


「よくやりましたね。心」


と、褒めて頂いた。そして


「皆を健康にしてくれたお礼です」


と、いつも健康体でいられる加護を下さったのだ。





ついに、心が禿から遊女として働き出

した。それからは本当に大変だったが、少しはいい事もあった。



前世まえにやりたかった芸事が

習えた事だ。加護もあり上達も早いの

で、心は楽しくてどんどん練習した。



また髪結いさんには、毎回手間賃を渡し

「おじさん、もう少しここは高さを

出して下さい ここはこのまま…」

と姿良く魅せる為、髷の大きさや簪を

差す角度等、一つ一つにこだわって

髪を作って貰った。


簪は少なめにして、髪に生花をつけ

で飾ってみたり。



初めはお金は掛けれないから、姐さん

の要らない着物を貰ってパッチワーク

で繋いで見た事のない柄行にしたり、季節のお花を刺繍して縫い付けたりさ。



前世から手芸が好きだったし、当時はまだなかったフリルを着物に付けたりしたよなぁ。



珍しいから話題になったし、フリルは

余った生地で出来たから、そのうち皆

も真似して、「心好み」の一つとして流行ったし。



心は好きな事はとことん突き詰めてし

まう、オタクな気質な所があった。


 

この結果、早々に心は、張り見世で格

子越しに客人の前に並ぶ様になったのだ。



心が初めて張り見世に並ぶと、

「おいおい、凄い美人がいるよ」

「何だか着物も髪も見たことかない

雰囲気だよ。もう匂い立つようじゃな

いか」



一重目でおちょぼ口の流行りの顔もあり、心は直ぐに他の遊女より目を引く存在になっていた。



そしてまたたく間に人気の遊女となっ

ていったのだ。



そして心花魁は何故か老人にモテた。

えっへん。前世まえも何故か

『じさまキラー』と呼ばれて、

お年寄りに人気の看護師だったのさ!



心は自分がどんなお客様に気に入られ

るかよく分かっていた。



そしてお年寄り達は心花魁と話すだけで、満足して帰っていくのだ。



他の花魁と違い如何に次、通ってくれるだろうか。

と、つい出てしまうギラギラした感じが全く見受けられないからだろうか?



きっと心のおっとりした感じが、長く生きてきた年寄りには、癒しとなり心地良かったのだろう。



 張り見世の身分から花魁になる迄、

思ったより早かったなぁ……



今は、基本自分の好きな物集めだけに

集中出来て、ある程度は自由に出来る

身分だし。



前世まえバリバリ働く前も、素は

もっとゆったりしてたんだから。



今はそんな自分でいても、もう何も言

われない。



今世の私、なんてったって健康だし

いい感じになってきたかな……



心花魁は今の自分をそう思っていた。




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