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早死にして転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です!  作者: 藍紫
第四章 黒い思惑

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28 可愛いまるちゃんと孔ちゃん 

大変遅くなりました。新しい話を投稿致します。

読んで頂けたら嬉しいです。よろしくお願い致します。

「えり姫様、お客人がおいでなされましたっ!」


「まぁ、何と珍しい。ん?理央なぜそんな不機嫌なのです?」


「いいえ、何でもありません。」

理央は自分を落ち着かせてから、客人を迎えた。


「お久しゅうございます。えり姫………」

「!!!!」声にならない声をえりは出した。



左大臣遠衛邸に居るのは、昨日遠衛様と松竹亭に来ていた六右衛門と使用人の、う助である。

「いやぁ昨日は夢の様でした。あの心花魁からお酌してもらって」


「ええ、旦那様!私に花魁、『まるちゃんを助けてくれてありがとう』って言われましたよ。お友様、松江様もお綺麗で極楽浄土かと思いました」


「まことに。儂もこれほど迄に素晴らしき女人達はおらんと思ったな。

そうだ!う助少しまるちゃんを庭に放してやれ。

うん?儂の側が良いのかな? ははは…… 可愛いのう」

先ほどからまるちゃんは遠衛様に、ぴったりくっついて離れない。


「それで六右衛門。今後の話だが。この手紙をを〇〇に渡し、本日暮れ六つに屋敷に来るように言うのだ」


「何用でございますか」


「六右衛門、それは知らずともよい。命が惜しければな。」


「わん!わん!」

まるちゃんが庭に続く縁側に向かう。

庭に首輪をつけたオッドアイの三毛猫が待っていた。


「あ、孔ちゃんとかいう松江様のお猫様です」


「おお、凄い!本当に来たのだな。良い良い。孔ちゃんを庭に放してやれ」


まるちゃんは真っ直ぐ孔ちゃんの所へ行く。二匹は庭で暫く遊んでいた。

「お〜い!二匹とも、ご飯だよ」


「うぉん! わんわん!」

「にゃご! にゃご!にゃ〜ん!」


「何だか2匹で会話している様だね。可愛らしい」

食後に二匹が鳴いているのをみて、う助は嬉しそうにずっと見ていた。


「……話は以上だ。孔ちゃん」


はたから見ると「わん」と 「にゃあ」 しか聞こえない。


「ええ。まるちゃんお疲れ様でした。では、今夜が山場ですね」


「疲れるんだよ。あんな狸親父のご機嫌取りは」


「すいませんね。でもこれはまるちゃんだけが出来る仕事ですから」


「おやおや本当に話してるみたいだねえ。可愛らしい」う助が二匹を撫でながら抱き締めようとする。


「おい、う助!お前うざったいな」


「まあまあ、私達は可愛らしく見えてこそですよ」 


「ならしようがないな、孔ちゃん」


「うにゃ〜ん」 「くぅ~ん」

すりすりすり。

「おっ!もうすっかり私に懐いて!

動物は素直で可愛いねぇ〜。

まるちゃん 孔ちゃんも部屋に入るかい?疲れたろ」


そう言われ二匹は「にゃ」「わふ」と部屋に入れて貰った。


近くの松の木に小鳥が二匹泊まっている。その小鳥は、夜半過ぎに屋敷の屋根から飛び立った。



「良いか。お前の働き次第では、また別の紹介先を考えようじゃないか。さすれば安心だろうて」


「はい……」


「儂はこの着物を持って、明日玉川宮たまがわのみやに会うぞ。話をつけねばならん」


「じゃあ よろしく頼むぞ」


「わん! わふっ!」

「おお! まるちゃん〜。寂しくさせてごめんちゃ〜い。話はもう終わったのよ〜。儂と少し遊んだら、お友達の孔ちゃんと寝むんなちゃいね〜」

なでなでなで。


「あの……遠衛様?」


「むっ、とにかく!何か聞き出すなり、わかるものを持ってくるのだ。わかったな。着物だけでは頼りないのだ。わかったな……」


そう言って、遠衛様はまるちゃんを抱き上げ出ていった。

廊下から遠衛様の声が響く。

「ね〜まるちゅわ〜ん。ちゅっ!」

「ぎゃん!ぎゃん!ぐふっ」


部屋に残った男は

「あの可愛らしい方を。因果な事だ……」

そう呟いて、部屋を出ていった。




翌日、えり姫の所に男が訪ねてきた。

「!!!!」

「お久しゅうございます。えり姫。様団五郎でございます」

「浦安団子郎様!おひっおひっお久しゅう…です」

えり姫は頭から爪先まで真っ赤になった。


「ははは。相変わらずえり姫様は可愛らしい」

団五郎は白い歯を魅せて笑顔を向ける。


ガチャン!音を鳴らして理央がお茶を出す。

「して、今日は何用だ!」


「今日は歌舞伎座での、お忘れ物をお持ちしました。」

「私、何か忘れてました?」

「こちらです」

団五郎がえりの手に扇子を渡した。


「まあ なんて事でしよう」

えりが扇子を受け取り、開いてみる。すると、


「団五郎様。これは私のではございません」

えりは扇子を団五郎に返した。

「おや?ですがこの刺繍はこの間見ましたが」


「そう、刺繍が違うのです。

『ウッキウキ!見るもの聞くのも初めてばかり!えり姫の歌舞伎ツアー』


ではありません。


『ドッキドキ!見るもの聞くもの初めてばかり!えり姫の歌舞伎ツアー』

なのです。心が時間をかけて作ったものを、私は忘れたりはいたしません。」

えり姫は珍しくきっぱりと言う。


「因みに心の方が美しい刺繍です!

オタクなので、そこは納得する迄やりきるのです。

団五郎様。何ゆえこの様な嘘を」


言われて、団五郎の表情が歪む。

「駄目です。やはり私には姫様を騙すことは出来ません。こんなに純真な御方を」

団五郎が涙を浮かべる。


「あなたがいい方で安心しました。団五郎様。」


「孔ちゃん!」

そこには久しぶりに人型の孔ちゃんが

立っていた。















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