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早死にして転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です!  作者: 藍紫
第四章 黒い思惑

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27 宴会で魅せる!チームワーク

エピソード投稿しました。読んで頂ける幸いです。

孔ちゃんが紙に何かを書いている。

そして犬姿のまるちゃんに言った。


「まるちゃん。頼みましたよ。ここは演技のしどころです。私も頑張りますので」


「わん!」力強くまるちゃんが返事をする。


「じゃあ美桜ちゃんはこのまま屋敷に待機。雅ちゃんは心花魁の所に飛んで下さい」


「ぴちゅ!」「ぴちゅぴちゅ!」

2匹とも勢いよく返事をし、飛び立っていった。


「さあ、ここが頑張りどころです…」

そう呟くと孔ちゃんは猫の姿になり、

屋敷を出ていった。




「いやいや 急に宴に来て済まないね。治助。でも急ぎの様だったんだよ。」


「いや、左大臣、遠衛様からのお話。何も問題ございません。いつも異国の物をお買い上げ頂きありがとうございます。さあ奥へ。」


治助は左大臣遠衛様を、部屋の上座に招く。


「心花魁、私は遠衛信広とおえのぶひろという者。今日は急にすまないね。治助に頼みごとをしてでも、何とか会いたかったのだよ」


「何をおっしゃいますか。わっちも文化人として名高い遠衛様には、一度お会いしとうございました」


私はじさまキラーの笑顔を向けて答える。


「うっ、私の知人の家の前で花魁の犬が倒れていてね。介抱して元気になったので連れてきたのだ。直ぐにでも顔を見たいと思ってな。お〜い」


遠衛様は赤くなりながら、廊下にいた二人を呼んだ。すると一人の男の手にまるちゃんが抱かれている。


「わん!わん! くぅ〜ん」

するりと男の手を抜けて、まるちゃんは私の所にやってきた。


「わぁ、まるちゃん!探してたでありんす!一体何処に行っていたのです?」


まるちゃんが私にじゃれながら、首輪を前足で掻いている。

(あ…)私はまるちゃんを抱きかかえて立ち上がった。


「まるちゃん 戻ってきてくれてありがとう。奥でまた少し休ませてもらいましょう。わっちは皆様にお礼をしなければ。ちょっと失礼致します」


そう言って、松江と奥の部屋にまるちゃんを運ぶ。まるちゃんの首輪の裏をよく探すと、小さな紙が貼り付けてある。紙を開くと、


『左大臣が黒幕。着物を持っている。もう少し調査必要  孔』

と書いてあった。


(そうか……。そういう事ね)

まるちゃんを見ると

「わん!」と意欲に満ちた返事をしている。 私と松江は互いに頷き、部屋に戻った。


「すいません。まるちゃんを部屋に連れていったのですが、どうやら遠衛様や他の方が気に入ったらしくて戻ると聞かないのです。わっちも困っておりんす…」

と、にっこり。遠衛様を見つめる。


(おお!これは最近まれに見る『じさまキラー』の最高笑顔バージョンだ。これに抗うじさまは見たことがないぞ!)

そう思った松江が思わず友子をみる。すると友子も、


「流石、左大臣遠衛様ですね。動物にも好かれるそのお人柄!」

と言い出した。

「治助様にも、いつも異国の物をご注文とか。世界にも目を向けておられるなんて素晴らしい!」

と、にっこり。


(二段褒め笑顔だぁ。そうだったよ。友子も前世でじさまキラーの一人だった。これは無敵かも……)

松江は思い出して唖然としている。


「いやぁ、そうでもないがな……」

遠衛様はかなり気分よくなっている。


そこへまるちゃんが、遠衛様の所に行き、お腹を見せてじゃれ始めた。


「まるちゃん、駄目ですよ。迷惑です。わっちの所に戻るのですよ」


私が申し訳なさそうに

「でも、こんなに懐くのは遠衛様が初めてでありんす」にっこり。


「そうですよ遠衛様。私もまるちゃんとはよく会いますが、一度でここまで懐かれるとは。凄いです」

治助は心から感心している。


(馴染みの治助より私が?これは心花魁に気に入られるチャンスなのか?

そうなると、もしや心花魁と……)

遠衛様は良からぬ夢をみた。


「まぁ、まるちゃん!遠衛様の側から動きませんね。あらあら……」

私は、憂いを帯びた流し目を遠衛様に送る。これで完璧だった。


「ははは、まるちゃんもう少し家にいるかい?飽きたら戻ればいい。私が心花魁に届けるよ」


遠衛様がそう言うと、

「わん! くぅ〜ん」まるちゃんが遠衛様に頭をつけて甘え始めた。


「良いのですか?遠衛様。わっちはとても嬉しいでありんす。またまるちゃんを連れて来ておくんなまし」


私は遠衛様と男二人、治助様と笑顔でお酌をした。友子もこれに続く。

松江は美味しい料理やお酒を出していく。完璧な宴だった。


「にゃ〜ん」庭から猫の声がした。

「あ、孔ちゃん帰ってきたのですね」

松江が縁側に出て孔ちゃんを抱き奥へ連れて行こうとするが……


「にゃ〜ん」

孔ちゃんは何とも可愛い声で鳴き、まるちゃんを見ている。そうか!松江は理解する。


「あの……すいません遠衛様、この孔ちゃんとまるちゃんは仲良しで。

よくまるちゃんを訪ねて吉原にも出向くのです。もしこの子が訪ねてきたら、まるちゃんと遊ばせて貰えますか?」


「ああ!構わん構わん。庭で遊べば良い。うちの庭は広いのでな」

遠衛様は上機嫌。


「なんて心の広い御方!わっちは感心したでありんす」

「この治助もでございます」


(治助様、本当に素直。本当は嫉妬してもいいんじゃあ……)私は少し考えたけど、今はいい。


その夜、宴を大いに楽しんだ遠衛様は上機嫌で帰路についた。

「暫く家に来て犬の世話をするのだ。例の件はまた沙汰を待つがよい」


遠衛様は男二人に呟くと、まるちゃんと輿に乗り帰っていった。


孔ちゃんは人型に戻り庭先にいた。

美桜みおうちゃん、まるちゃん、頑張るのですよ。後で、孔とみやびちゃんも行きますからね」


そう決心したように呟くと、孔ちゃんは、松竹亭に入っていった……

















友子もじさまキラーだった……。

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