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早死して転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です』  作者: 藍紫
第四章 黒い思惑

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23 反応がくる

「じゃあ皆それを持って、思いを込めてみて」


使役達が残した物を手の中に持ち、伝えたい思いを込めた。


「さあ、後は待つだけね。」


「じゃあ私ご飯の準備するわ。友子、今日入れる薬草出しておいて」


「うん」


……そして綺麗な夕焼けが見える頃、平松の宮邸に近づく人影があった。


物取りが入って着物を持ち帰ってから10日経ったが……反応は今のところ無く、皆は待ちかねている。


「あれから何も音沙汰ないね……どうなっちゃったの? 松江? 何か孔ちゃんから聞いてる?」


私が松江に聞くと、

「いや何も。しかも孔ちゃん、あれから帰ってきてないのよ。」


「そうよね。まるちゃんもだもん」

「うちの桜雅コンビもだよ」


「私、心配になってきてさ。今朝、理央に相談しようと思って部屋に行ったら、まだ寝込んでたよ」


「ねぇ友子、何か皆に連絡取る方法知らない? 孔ちゃんとこんなに長く離れていたこと、今までなくて」


「異国で旅をしてると、わりとあるよ。だから桜雅(おうみや)コンビの足に、私の服の切れ端を結んでおくの。それを使って連絡をとるのよ」


「そっか。なら皆、何かを持って行ってるんじゃない?」


「確かにうちの孔ちゃんならそうしてるわ」


松江がそう言って、皆で孔ちゃんが使っていた部屋に行ってみた。


「やっぱり! 皆の物が置いてある」


見ると、私と松江が歌舞伎座に行った時に使った簪(かんざし)、友子は兵児帯(へこおび)が机に置いてあった。


「あ! 私の簪まるちゃんの首輪に鈴がない」


「私も簪の月パーツがない」


「兵児帯の端が少し切ってあるね」


本人だけが、自分の物の一部を使役達が持っているのだとわかる。


「孔ちゃん、ほんと凄すぎ!」

皆、もう凄いとしか言えない。


「さて、なんて伝える? 私は『美桜(みおう)、雅(みやび)。皆無事なの?』にしとくよ」


「じゃあ『孔ちゃん、どこで何にしてるの?』だ」


「私は『まるちゃん、あと何日で帰るの?』にしてみよう」


「じゃあ皆それを持って、思いを込めてみて」


それぞれが手の中に持って、思いを込めた−−−−




−−−−夕飯時


「えり、もう少し食べなよ。それじゃ持たないよ。ほら、私のおかゆは美味しいよ」


「そうだよ。理央もそろそろ良くなるって。煎じたお茶は飲ませてるでしょ」


「うん、ありがと。そうだよね。もう2週間経つしそろそろね。分かってるんだけど……でも〜」


「まあまあ、今はがん太は出さずにさ」

「心! がん太はもう置いといてよ〜」


そう言うえりも笑っている。


前世の頃、「服がはいらなくなったから痩せなきゃ」

というので 

「もう痩せてるから筋肉つけたほうが良くない?方が良くない?」と言ってみた。


「え〜、でも〜」と言ってしまうような、おっとりとした可愛い反応。だが自身で(やっぱり筋肉つけよ)

と思うまで、ダイエットは続き、えりは一時期細マッチョになる。これも違うと結局程々にしたが。

ちょっと感心も込めている「がん太」呼びなのだ。


「ごめんごめん。えりの『でも〜』の言い方が変わらないのが嬉しくてついね。それだけよ」


「ほんとほんと! 全然変わらないよやめて心、ご飯が食べられないよ〜ぷぷっ」


友子が松江に笑いながら寄りかかると、

「……くっ」


吹き出しそうになるのを我慢している松江。


わあはっはっはっはっは!皆でひとしきり笑ったあと、


「えり、笑ったら少しは食欲湧かない?」


「食欲湧いたよ。ありがとう。ちょっと食べるよ」


「いや、そこはたくさん食べる。でしょ! がん……」


「もうやめて〜」


また皆で笑い転げ、結局えりも笑いながらたくさん食べた。   

心が淹れたお茶を皆で飲んでいた時、


「松竹亭からの使いの者が来ています」

との連絡が来た。


「早速何か来たよ! やったね孔ちゃん」

皆でドキドキしながら使いの元に出向く。


使いが待つ部屋に行くと、松竹亭の輝(てる)が待っていた。


「お久しぶりです、松江様」


「お輝、夜に悪かったですね」


「構いませんよ。それが夕刻に松江様の部屋に大きな鷲が入ってきまして。


ちょっとした騒動でしたが、足に手紙が結ばれていました。見ると『松江様へ 孔』と書いてありました。これは!と急ぎお持ちしたのです」


「うわ! 早速だよ友子。ほんと凄いね! 松江、早く開けてみてよ」


「もう! 孔ちゃんたらぁ! 推しへの愛が止まらないよ〜

まあ一旦それは置いといて、読むよ」


松江は興奮しながらも手紙を読む。


『皆様へ

流石、孔が置いてきた物に気づいていただきありがとうございます。

流石私の王……いやこれはついつい、失礼しました。

私達は元気に着々とそれぞれの任務をこなしております。

あと数日で良いお話を持ってこれるかと。楽しみにお待ちください。


帰ったら是非一席設けてくださいね。


孔、まる、美桜、雅。


追伸:えり様に一言、理央にこう言ってあげてください。目が覚めるかと。


(理央、〇〇〇〇)

                   以上です』


「わあ! 最後に皆の足跡が押してある。可愛い!」


孔ちゃんとまるちゃんの肉球が二つ。美桜と雅の鳥の足跡が印鑑みたいに押してあった。


「ちょっとお〜あざと可愛くない? いいよ! いい!」

私も思わず叫んでしまう。


「何か分からないけど、着々と事は良い方へ進んでいるのね。じゃあ私達はあの子らを信じて待っていようよ」


「そうだね友子。あと、えり。追伸で書いてあったこと、試してみなよ。私の孔ちゃんが言うことだもん。効果あるかもよ」


「うん、そうしてみる」


松江に言われ、えりは早速理央の元に戻っていった。


「孔ちゃんって、理央がまだ寝込んでるのもお見通しなんだね。凄いよ」

私は独り言のように呟いた。


……しばらくして、なんと理央が人型に戻り、えりと一緒に戻ってきた。


「ほんと凄いな孔ちゃん!」


皆同時に叫んだ。



お昼過ぎですが更新しました。読んで頂けると嬉しいです。


何処まで続く孔ちゃんの軍師ぶり。

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