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早死にして転生したアラフィフですが異世界の江戸では人生愉快痛快です!  作者: 藍紫


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25 二匹と二羽大活躍!  頑張れ治助様!

久しぶりに天女楼へ戻ると、直ぐに禿かむろの豆助が迎えに出てきた。


「あれ?紅はどうしました?豆助」。


「紅、心花魁が戻ってきたよ」


豆助が紅を探して連れてくると、紅は泣いている。


「もう紅は嫌じゃ。心花魁がいないと他の姐さんの所に行かされる。」


見ると、紅の手には叩かれた跡がついていた。


「豆助、紅、難儀な思いをさせましたね。あっちが悪うござんした。今度は一緒に出掛けましょう」

(この先、二人の事も考えないとな)

私はそう思いつつ、二人に聞いてみる。


「豆助 紅、治助様からは連絡は来ていないかい?」


「あい、治助様からは毎日のように文が届いてますよ」 と豆助


「それも毎回、美しい季節の花を添えて。あっちらのお菓子も」 と紅。


「じゃあ、治助様に手紙を書きます。それを届けたら、松竹亭へ行く準備をしておくんなまし」


「あい!」二人は元気に返事をした。

飛び上がって喜ぶ治助様が目に浮かぶ。最近二人は人の良い治助様をこっそり応援しているのだ。


—---------


「孔ちゃん、着物の気配を追えばいいんだよな」 


「そうですよ、まるちゃん。着物には孔とまるちゃん、桜雅コンビの毛をくるんだ物を縫い付けておきました」


「おう!気配がよく分かるぜ。」


「私達も、ちゃんとわかるの〜」桜雅コンビも飛びながら答える。


平松の宮邸に入った物取りに、別の姫宮の着物を持たせて逃がした。

しかし帝の弟宮から何の反応もなく数日経っている。

そこから孔ちゃんと他の使役達は、着物の気配を、猫.犬.鳥に戻り追っていた。


「しかし着物は何処に行ったのだ?わかるかい孔ちゃん」


「帝の弟君でなければ次の察しはついてますが……」


「あっ!この屋敷から着物の気配がするです〜」

桜雅コンビが最初に屋敷に着いた。


「わかりました。ではちょっと作戦会議」使役達は一旦物陰に入った。


—--------


ある屋敷の前でちんがパタリと倒れている。

「おい!ワンちゃん大丈夫かい?」

屋敷から門番が出てきて犬を抱きかかえた。綺麗な首輪に鈴がついている。

『吉原心花魁の犬 まる』


「うわっ!あんた、心花魁のお犬さんかい!こりぁ大変だ!」


門番は、慌ててまるちゃんを抱きかかえて屋敷の中に入っていく。

その瞬間孔ちゃんもゆったりと中に入り、庭の奥へ消えていった。


「おいおい、心花魁の犬を拾ったって本当か?う助」


「そうでございます。旦那様。水を飲ませて休ませたら元気になってきました。撫でると喜んで可愛いですよ!」


「そうか。この犬を連れて吉原にいったら、心花魁は喜んで直ぐ会ってくれるねぇ。こんな機会は一生ないよ。先ずは今日いらっしゃる左大臣にご報告して、一緒に返しに行くのはどうだろうか」


「そうですね旦那様。左大臣なら心花魁へのツテもお有りでしよう」


「お〜楽しみだよ!う助!」


にゃ〜お、にゃ〜。 ぴちゅ!


「ん?猫の鳴き声がするな。鳥もか!

う助、あまりうるさいなら追っ払っておくれ。左大臣をお出迎えする仕度をするんだ」


夕暮れ、男が輿で屋敷を訪れた。


「左大臣様。ようこそおいで頂きました」

「ああ直ぐにいとまする。で、着物は?」


「はい。こちらに。わざわざ盗んでまでどうするのですか? 綺麗な着物ですが…」


「あまり深入りせんことだ。所でそなた、何故犬など抱いているのだ」


「ふふ。左大臣様、この犬何と吉原の心花魁の犬なんですよ。うちの前で

倒れてるのを偶然見つけまして。」


「なんと!あの心花魁のかい?

それは大変だ。直ぐに私が届けよう」


「左大臣私もお連れくださいませ!」


「……分かった。着物のお礼はそれでいいか?」


「う〜んわかりました。結構です! 心花魁に会えるなら。」


「では、沙汰をまて」


左大臣は急ぎ自宅へ戻っていった。


「上々です、まるちゃん」

まるちゃん一人の部屋で、庭から声がした。孔ちゃんが暗闇で身を光らせている。


「桜雅コンビが左大臣を追ってます。私もこれから向かいます。では天女楼で」

「おう!待ってるぞ!」


まるちゃんがそう言った所で、

「さあさあ 出かけるよワンちゃん」

う助がまるちゃんを抱いていった。


************************


「旦那様!しゃんと下さいよ」

番頭がこればかりいっている。


「はぁぁぁ〜」

治助は大きなため息ばかりついていた。


心花魁から何も沙汰がない。今迄は待てば座敷に来てくれた。(かなりの日数だけど)


しかし最近天女楼にいない事が多い。本当は留守などと教えては貰えない。

仲良くなった禿かむろの豆助.紅がそっと教えてくれた。


「花魁は送った花を見ているだろうか?もう枯れてしまったか?また新しいのを選ぼう……」

余りにも純粋で人のいい治助様。

これだから豆.紅も味方するのだろう。


(心花魁はどこに行ってるのだろう。

もう天女楼に戻ってる?

出かけて疲れたりはしてない?

そうだ、疲労回復の薬を届けてみようか?)


治助がまた心花魁の事を考えていると、

「ご主人様!お待ちの天女楼から連絡がきましたよ!」

その声に治助は飛び上がった。

「い 今行くよ!」


気もそぞろで手紙を見ると、何と心花魁直筆の手紙!

「治助様、いつも素晴らしいお花をありがとうございました。あっちは嬉しくてたまりません。

今夜、松竹亭で逢いとうございます」


たった四行 ありきたりの手紙。

しかし心花魁が手紙を直筆で書くという事自体が珍しい。


「ちょっと、直ぐ出かける準備だ。あ、その前に松竹亭の離れの仕度をお願いするのだよ。

季節の花々で飾り、今一番旬のもので料理を、そして花と料理にぴったりマリアージュしたお酒を出すように頼んでおくれ!マリアージュだよ!」


治助は、半ば自分にいい聞かせるように番頭に素早く告げた。


良く見るとその手紙には別の字で何か書いてあった。


「良かったね 治助様 豆助、紅」


ありがとう。豆ちゃん、紅ちゃん。

二人にも美味しいお菓子を持っていくよ。


豆.紅も少しずつ男心を掴む術を学んでいるのだった。


頑張れ!治助様。


隣で見ていた番頭は思っていた。



































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