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早死して転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です』  作者: 藍紫
第三章 平松の宮邸のえり姫

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番外編 えり姫と理央


「えり姫様、お目覚め下さい」


理央の声がする。えり姫はその前から

目覚めていたが、理央から


「高貴な方は皆声を掛けるまで起きてはなりません」

と言われている。


えり姫は幼少の頃から、理央だけと暮らしてきた。

母上はえり姫が生まれて直ぐに亡くなられたそうだ。


時々、お祖父様と帝が訪ねて下さる。

帝はえり姫の兄上様にあたるそうだが、

ただ優しい方としか思ったことはなかった。


本で見るような『家族』『友達』とは

どのようなものか?

それは使役の理央と何が違うのか?

えり姫は分からなかったのだ。


えり姫が小さい頃、使役の理央は寂しくならないようにと色々な姿になってくれた。


前掛けをつけ優しくご飯を運ぶ母上の姿に。


双六で遊ぶ時は、小さな子供になり友達として。


勉強も理央が教えてくれた。えり姫に教える前に理央自身が懸命に勉強して教えてくれる。


えり姫と理央はずっとそうやって暮らしてきたのだ。



「えり姫、近く、三人の人間がこちらにやってくる。その者達は姫と友達になりたくてやってくるのだよ」


ある時、お祖父様がそう言って人が訪ねて来ることを教えてくれた。


「え、私と友達に?……嬉しい!」


それからえり姫は、その方々が来たら一緒にやることを、色々考えていた。


「一緒にお食事をして、お茶の時は沢山お喋りをするのだわ。そして時々悩みを相談し合うのね」


えり姫は本で見たことを想像して、どんどん楽しみになっていた。


「普通の人間なんて、えり姫様には相応しくはありません。私がいれば良いではありませんか!」


理央は激しく反対していたが……

えり姫はその日が待ちきれないほどになっていた。


そしてその日がやってきた。えり姫が想像していた人たちとは随分違ったけれど。


とても嬉しかった。




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