第77話
・・・私、せっかくの旅行から帰ってきたのだけど。なぜ、うちの旦那はあまりにもいつも通りなのかしら。
「アナッサぁ〜。執務貯まったから手伝ってぇ〜」
「いやよ。あなたの仕事でしょ。あなたがやりなさい。せっかく親友と旅行に行っていたのに。やめてほしいわ」
この人、本当に変わらないわよね。お義父様にあんなことがあったのに。なんで変わらないのか、疑問だわ。
「かぐやには情けない姿は見せたくないんだよ」
「わかります、陛下。私も娘に情けない姿は見せたくないですね〜」
お兄様!なんで共感しているのよ!ここはしっかりと叱ってちょうだい!
「・・・陛下、大丈夫そうですか。妹がものすごく怒っている気がします」
「・・・クリテス、私もそう思うぞ。あとアナッサはお前の妹でもあるが私の妻だ」
前言撤回すべきね。お義父様が亡くなってからなんだかとっても重たくなった気がするわ。
「お兄様、陛下。さっさと、仕事をしてください!私の楽しみ奪っておいて何サボってるの!かぐやと・・・アドラーティオちゃんにも言っておく必要がありそうね」
「な!それだけはダメだ、アナッサ!せっかく皇帝らしく威厳を保ってきた(つもり)なのに!」
「そうだぞ、アナッサ!娘に伝えるなんて卑怯だ!昔はあんなに可愛かったのに!」
「ほう、どんなエピソードがあるか、聞かせてもらおうか」
「そこで真面目にならないで!」
みたいな会話があったのに!!あったのに!
今朝、久しぶりに会ったナギ様に伝えられたのは・・・
「そういえば、バシレウスが楽園に旅行に行くそうよ。家族みんなで。温泉ですって」
はあ?これは・・・。かぐやには一人で旅行に行ってもらおうかしら。あの子も成人しているわけだし。キリグくんにも休みは必要でしょうから。
そして、バシレウスには・・・・。うふふ、執務をさせなければ・・・!




