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第60話 最後の仕事

真っ暗な街に黒衣の者達が密やかに動く。その中の一人は燃えるような深紅の髪を持つジェネラレッシモ・ヴィジランである。隣にはエポック・リュクシュールこと絵師クエルポ。


「貴方にも隠密行動が取れたのですね。驚きました」


吐く息に音を含ませて呟くエポック。


「護衛騎士であると同時に隠密部隊の副団長なのだからな。・・・暗殺部隊は隠密部隊の管轄になる。暗殺部隊は皇帝直属でもあるので実質同格だが」


「何故それを私に話すのですか?流出させるかもしれませんよ?」


「平民の戯言など誰も信じまい」


それを聞いて思わずククッと笑ってしまうエポック。


「それもそうですね。・・・では公爵としての最後を精一杯やりきりましょうか!」


その言葉を号令に速やかにリュクシュール邸を取り囲む隠密達。彼らの仕事は逃げた残党を殺さず捕らえること。難しいことだがそれをできるのがこの部隊なのだ。


「閣下、中に突入します!用意はよろしいでしょうか?」


隠密部隊班長の言葉にジェネラレッシモは頷く。


「ああ。覚悟は決まったか、エポック?」


「もちろんです。行きましょう!」


そうして長い夜が始まった。破滅への道のりを少しずつ、少しずつ進んで行く。

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