第53話 サヴァンツ・リュクシュール
私はサヴァンツ・リュクシュール。リュクシュール公爵家の次男だ。・・・それも今日で終わりだろうが。リュクシュール公爵家は私の母、ソラティオ・リュクシュールの罪により今日取り潰されることとなるだろう。
母が父に断罪されることについて何も思わないのか、と問う愚か者もいるが私を育てたのは父上だ。私に興味すら抱かず、利用しようとした女など、どうでもいい。
私はただ、実験を行うことを許してくれる環境ならばどこへでも行く。
父上は、文句を言って世話ばかり焼こうとするものの爆発させようと実験を禁ずる訳ではないからな。
「・・・それにしても、母上が月光の毒の作り方を知っているというのは誤算でしたね。作り方を知っていれば解毒剤のことも・・・」
トリスタン公爵家は情報の管理が甘すぎるのではないか?嫡子でもない娘に大切な情報を伝える必要性など・・・。
ああ、そういえば母上は嫡子として育てられていましたね。現トリスタン公爵が生まれたことによって廃嫡になったそうですが。
・・・嫉妬、とは面倒ですね。ですが、私も他の誰かが月光の毒を手に入れていたら嫉妬、するかもしれませんね。
月光の毒。私も作り方を完全には知らない幻の、だけど実在する毒。いつか手に入れたいものです。
手に入れたら何をするか?そんなの決まってるじゃないですか。
成分を調査し、解毒薬を作ったうえで味見をするのですよ。
どのような味なのか・・・。今から楽しみですね〜。




